先に朝日を批判する産経抄を紹介しました。産経抄が指摘していた朝日の「特集」記事を全文紹介し、問題点を検証してみます。
大東亜戦争正当化・憲法改悪お仲間集会で語った麻生ナチス手口学べ発言の本質を報道しなかった証拠だ!2013-08-04 21:10:37
朝日8月2日付 記事
官邸主導で幕引き急ぐ 麻生氏ナチス発言(1面)
麻生太郎副総理の「ナチス発言」に対し、安倍政権は早期の幕引きを図った。そのシナリオを主導したのは首相官邸だった。▼2面=政権にショック、4面=発言と釈明に矛盾、16面=社説、35面=何度目ですか
7月29日夜。麻生氏は東京都内のシンポジウムで憲法改正についてナチス政権を引き合いに出した。「ある日気づいたらワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていた。あの手口に学んだらどうかね」
翌朝に一部メディアが報じると、官邸内には「まずいことになる」という懸念が出始める。さらに米国の代表的なユダヤ人人権団体の反発が伝わると、「できるだけ早く収束させた方がいい」(政府高官)という雰囲気が広がった。
菅義偉官房長官は31日昼、地元・福岡にいた麻生氏に電話で「誤解を受けるような状況になっています。考えをメディアの前で述べていただきたい」と要請。麻生氏はこう応じた。
「俺は憲法改正は静かな雰囲気でやった方がいいよという意味で言ったんだけどな。誤解されているなら撤回しないといけないな」
電話を終えた菅氏から報告を受けた安倍晋三首相は「撤回は当然だ。早い方がいい」と幕引きを指示。第1次内閣で閣僚の失言に悩まされた教訓があった。
財務省や外務省の官僚らが官邸と連絡を取り合いながら撤回コメントの文案づくりに着手した。
1日午前、麻生氏は「ナチス政権を例示としてあげたことは撤回したい」とコメント文を読み上げた。その約30分後、菅氏は会見でこう強調した。「安倍内閣がナチス政権を肯定的にとらえることは断じてない」
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麻生氏の発言に対し、批判声明を発表していた米国のユダヤ人人権団体「サイモンーウィーゼンタールーセンター」(本部・ロサンゼルス)のエイブラハムークーパー副代表は731日、朝日新聞の電話インタビューに応じ、「発言を撤回したのは適切だった。だが、ナチスのたとえを使った理由が不可解なままだ」と語った。 (ラスベガス)(引用ここまで)
愛国者の邪論
1.「翌朝一部のメディアが報じる」とありますが、この書き方からすると。朝日ではなかったことは明らかです。
2.最初から、麻生発言について「まずいことになる」と自覚していたことが明らかになりました。
3.だから、「幕引き」を急いだのです。「幕引き」で思い出すのは、「ゲンパツで亡くなった人はいないから、成長戦略のためにゲンパツを再稼動を」と発言した高市政調会長発言を「幕引き」したことです。この内閣は「幕引き」が得意技と言えます。
4.財務省と外務省が一緒になって撤回コメントを作ったのでした。政権の官僚頼みの実態が浮き彫りになりました。彼らも必死です。
6.「安倍内閣がナチス政権を肯定的にとらえることは断じてない」と言うのであれば、日独伊三国同盟を結んだことは、どのように評価するのでしょうか?更に言えば、世界を制覇するために、日独伊で分担したこと、その一つが大東亜共栄圏であったこと、これらがドイツと連携して進められたこと、などをどのように総括するというのでしょうか?こうした世界制覇のためにつくられた慰安婦制度など、侵略の制度や植民地支配の諸事実などをどのように評価するのでしょうか?ナチスは肯定的に捉えることは断じてないが、日本は肯定的に捉えるのでしょうか?
7.「ナチスのたとえを使った理由が不可解なまま」とのユダヤ人団体の発言を紹介していますが、そもそもこのような麻生氏の「不可解」発言など証明できなくても、この問題の本質は、すでに述べたように明らかです。
8.ここに、この問題の本質をスリカエる朝日の姑息が透けて見えてきます。
政権 麻生ショック ナチス発言「国際社会を敵に回す」 2面
安倍政権は麻生太郎副総理による「ナチス発言」で早期の幕引きを図ったものの、政権ナンバー2が抱えるリスクだけに収束するかは不透明だ。安倍晋三首相が進めようとする「安倍色」の政策実現にも影を落としかねない。
麻生氏の発言撤回を受けて、政権幹部らは一斉に幕引きムードを演出した。 菅義偉官房長官は1日の記者会見で「本人も発言を撤回したし、安倍内閣としてナチス政権を肯定的にとらえることは断じてない。私の会見で、みなさんにご理解いただきたい」と理解を求めた。古屋圭司国家公安委員長は東京都内で記者団に「副総理もピシッと正式に撤回したから、これで一件落着じゃないか」と述べ、政府高官も「今日で幕引きだ」と強調した。 参院選に大勝して長期政権の足場を築いた安倍政権としては、早々に「撤回カード」を切ることで事態の収拾を図りたい考えだ。ただ、歴史認識を問われ続ける安倍政権が「右傾化」のレッテルを貼られかねない事態だけに、今後の政権運営に影を落としそうだ。
米国などは先の大戦で連合国が枢軸国の軍国主義に勝利したという見方に異を唱える人を「修正主義者」と呼ぶが、東京裁判を「勝者の断罪」と語る安倍首相をそう評することもある。今回の麻生氏の発言は、国際社会に政権全体がそういう姿勢だと受け止められかねない。
とりわけユダヤ人の人権団体から反発が出たことに、外務省幹部は「最悪だ」と悲壮感を漂わせる。ユダヤ人社会は世界にネットワークを持ち、米国内でも影響力が強い。日本の「右傾化」批判が強い中国や韓国に米国が同調ずれば「国際社会を敵に回す」(官邸スタッフ)ことになるからだ。沖縄県の尖閣諸島や従軍慰安婦などの問題で対立する中韓両国の主張に理解を示す国が増える可能性もある。
経済最優先で進めてきた安倍政権は、参院選を終えて国のかたちにかかわる「安倍色」の政策にも手を付け始めている。外交・安全保障政策の司令塔となる日本版の国家安全保障会議(NSC)の設置をめざし、年末の防衛大綱見直しをにらんで集団的自衛権の行使容認に向けた議論も加速させる方針。中長期の課題として首相が意欲を示す憲法改正では、改憲案の発議に必要な衆参両院で3分の2議席以上の勢力の確保を目指していく構えだ。
こうした政治日程が目白押しのなか、官邸スタッフは「麻生氏の発言が情報戦に利用され、『安倍政権の歴史認識はやはり危険だ』とされるのが一番困る」と、政策遂行への影響を懸念する。
外務省は1日、各国政府や海外メディアなどからの問い合わせに備えて麻生氏の撤回コメントの英訳を始めた。
首相にとって、麻生氏は菅氏と並ぶ「政権の要」(首相周辺)だ。副総理兼財務・金融相として首相と二人三脚でアベノミクスを引っ張ってきた。もともと自民党内で基盤の弱かった首相を支えてきた数少ない派閥領袖でもある。麻生氏を更迭すれば、政権全体が揺らぎかねない。
そんな政権ナンバー2が起こした失言騒ぎだけに、首相側近は1日、こうぼやいた。
「麻生さんは例えが悪すぎる」(引用ここまで)
愛国者の邪論
1.「安倍晋三首相が進めようとする『安倍色』の政策実現にも影を落としかねない」とする朝日の意図は何でしょうか?影を落として困ることとはどういうことなんでしょうか?影を落とさず「安倍色」の政策実現によって困るのは、国民です。ここが朝日の目線の位置が浮き彫りになったのではないでしょうか?
2.「歴史認識を問われ続ける安倍政権が「右傾化」のレッテルを貼られかねない事態だけに」として「懸念」を紹介するというのも、戦争責任問題を曖昧にしようというのでしょうか?ここが国際的水準に対する無理解が浮き彫りになったように思います。世界から孤立する日本を放置しようとするのでしょうか?まさに「内弁慶」と言われても仕方ありません。
3.今回の問題の本質を全く履き違えている「麻生さんは例えが悪すぎる」との側近の声を紹介することで、事の本質を逸らしているのですから、呆れます。
野党、国会追及の構え 与党側は逃げの一手 (2面)
野党は2日から始まる臨時国会で追及ずる場を求めていく構えだ。
民主党の海江田万里代表は1日、党役員会で[ナチスから学ぶべきものは一切ない。憲法改正は正々堂々と議論して進むべき問題だ。こっそりやってしまえ、という発言は撤回して済む問題ではない」と批判。安倍首相の任命責任を追及する考えを示した。
日本維新の会の橋下徹共同代表は1日、記者団に「かなり行き過ぎたブラックジョーク」。小沢鋭仁国国会対策委員長は同日、自民の鴨下一郎国対委員長に電話し、「(今国会中に)と何らかの形で麻生氏の真意を聞く機会をつくってもらいたい」と要請した。共産党の志位和夫委員長も記者会見で「むき出しのナチズムの肯定で民主主義否定の暴論だ。日本の国政に参加する資格はない」と議員辞職を要求し、衆参予算委員会での集中審議を求めた。
自民党からも麻生氏へ批判が出ている。派閥領の一人は「撤回するなら初めから言うなという話。首相をやっていたことが信じられない。何がポスト安倍だ」と批判。別の領袖も「まともな配慮があればこんな事例は出てこない」と苦り切った。
ただ、臨時国会の会期は7日までだ。平日は4日間しかなく、6日の広島平和記念式典には与野党幹部が出席するため、その前後も国会は開かれない見通し。予算委員会の質疑を確保することもままならない。与野党は当初、臨時国会で審議する予定はなかったため、1日に国会日程を話し合った衆参両院の議員運営委員会理事会では議題にならなかった。だが、影響が大きくなる中、2日の理事会で野党が麻生氏の発言について質疑を要求するのは確実だ。今回、機会を逃すと、10月以降に召集される臨時国会まで追及する場を作るのは難しくなる。 こうした事情から、自民党国対幹部は「確かに発言は不適切だが、委員会審議はないと決めているから今国会は無理。秋の国会なら追及できるが、その前にいろんなニュースがあって忘れられる」と言い切る。 昨年の衆院選に続いて参院選でも大勝し、与党は絶頂にある。与党幹部も「内輪もめ」と見られることを恐れ、表だっての批判を回避。逃げの一手を決め込んでいる。自民党の石破茂幹事長は1日、記者団に「政府としてきちんと対応すべきだ。この問題について論評することはない」。公明党の山口那津男代表も会見で「枢要な立場にある政治家は発言に配慮が重要」と述べるにとどめた。(引用ここまで)
愛国者の邪論
1.橋下代表の「ブラックジョーク」発言は、慰安婦問題の発言を考えれば、納得です。この御仁の頭の中というか、大東亜戦争肯定派の思考回路は一貫していることが判ります。これでは世界から孤立することは明らかです。恥ずかしい限りです。こうした発言に対して、徹底して批判をしないマスコミにこそ、大きな問題があります。このことは慰安婦問題の時に記事にしたので繰り返しません。
2.問題を国会で議論をしないということそのものが、自民党の本質を如実に示しています。これが自由と民主主義を価値観とする日本国の政府ということをマスコミは徹底して追及していくべきです。
3.この麻生発言を徹底して追及するのは、国会の努めであることを確認し、問題の本質を浮き彫りにしていくことです。そうしてこそ、国益が守られ、外交交渉も進むと思います。安倍政権のネライは、中韓との交渉を遅らせながら、危機感を煽り、集団的自衛権の行使や敵基地攻撃論の具体化など、憲法改悪の土台づくりをしていこうとする戦略かも知れません。
4.公明党のブレーキとしての役割とはこういうもんです。追認の連続です。これが公明党の本質です。創価学会員はどのように評価するのでしょうか?
5.いずれにしても、「逃げの一手」を謀る自民党と公明党を許すか、否か!日本の民主主義が試されています!マスコミの視点も、です。
つづく