いよいよ朝日の特集記事を紹介する最後の部分です。
発言と釈明 矛盾 麻生氏「手口学んだら」➜後に「悪しき例」 本人周辺は「言い間違い」 4面
麻生太郎副総理は「ナチス発言」について「悪しき例としあげた」と説明し、撤回した。ただ、当初の発言との矛盾点も見える。そもそもなぜナチス・ドイツを引き合いに出したのか。麻生氏自身の言葉足らずもあり、疑問がぬぐえない弁明となった。▼1面参照
ワイマール憲法下で誕生したヒトラー政権は、議会の機能不全に乗じて対抗勢力を弾圧し、全権委任法や授権法と呼ばれる法律を作った。この歴史的経緯について、麻生氏は7月29日のシンポジウムで「ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった」と語り、こう続けた。
「あの手口に学んだらどうかね」
だが、1日に発言を撤回した際のコメントでは「喧騒にまぎれて十分な国民的理解及び議論のないまま進んでしまった悪しき例として経緯をあげた」と説明。麻生氏周辺は「『手口』はマイナスの意味のこもった言葉。ナチスのような悪い手口で憲法が変えられたことを繰り返さないよう歴史に学ぶべきだと言いたかった」と解説する。
ただ、「手口に学ぶ」は好例として手本にすると受け取られかねない。「単なる言い間違いというのが本人の偽りない気持ち」(周辺)としているが、誤用では済まない波紋を広げた。 また、麻生氏は憲法問題だけでなく、首相らの靖国神社への参拝問題でも「いつからか騒ぎになった。騒がれたら中国も韓国も騒ぐ。だから(憲法改正は)静かにやろう」という流れでナチス政権の経緯を引用。撤回コメントでは「憲法改正は落ち着いて議論することが極めて重要だと強調する趣旨」とも説明したが、ナチス憲法に変わった経緯を「喧騒にまぎれて」としたこととの食い違いもある。
自民党三役経験者の一人は「例え話を使えばわかりやすくなるだろうというのは、政治家がよく陥るワナだ。まともな配慮があればナチスの事例は出てこない」と指摘する。麻生氏の辞任を求めた社民党の又市征治幹事長は1日の記者会見で、こう語った。
「首相もやり、いま副総理をやっている人が何をこんな馬鹿げたことを……。よく字も読み間違えた人だから歴史も読み間違えたんでしょう」(引用ここまで)
愛国者の邪論
1.この記事は、現行憲法の改悪改憲を喧騒ではなく知らぬ間に成し遂げていくためにナチスの手口を学んでやるべしという提案をお仲間たちの前で行った麻生氏の特異な思想を批判するのではなく悪しき事例としてあげたものだと釈明し、撤回したことを、麻生氏「自身の言葉足らず」「疑問がぬぐえない」「弁明」と紹介する記事です。
2.騒がれると、靖国のように中国・韓国も騒いだように、上手く行かなくなるので、静かにやろうということですが、こうした思想が国会における審議拒否という形で表れたとみるべきでしょう。
3.ヤマシイところがなければ、「ナチスのような悪い手口で憲法が変えられたことを繰り返さないよう歴史に学ぶべきだと言いたかった」というのであれば、正々堂々と議論すれば良いのです。その方が自民党改憲案の議論と普及になるのではないでしょうか?
4.しかし、麻生氏や安倍氏の思惑はセコイものです。自信がないことの表れでしょうか?コソコソ、秘密裏にやろうとする姿勢が透けて見えてきます。屁理屈をつけて国民投票のハードルを低くしてしまうおよそ民主主義とは無縁の、セコイ発想と同じです。ま、小選挙区制というトリックで偽りの議席を掠め取って、国民的支持を得ていると勝手に思い込んでいることと同じです。
5.自民党からも言われているように「まともな配慮」が欠落しているからこそ、財務省や外務省など政府総がかりで発言撤回の弁明書を書き上げたのでしょう。しかし、世界の常識であるナチスの犯罪について、手前勝手な解釈で、憲法を改悪しようとする姿勢だけはハッキリ、浮き彫りになったのが麻生トンデモ発言だったのです。
6.「ナチス憲法に変わった経緯」を「喧騒にまぎれて」と「無知」をさらけ出しながら、「言い間違い」とゴマカシ、それらを「食い違い」とするなど解釈するのは朝日の勘違いでしょうか?読み違いでしょうか?
7.いずれにしても、ウソと詭弁、スリカエ・ゴマカシの発言撤回文を作成した財務省と外務省の官僚の「良心」はどうなっているのでしょうか?そのことについても触れておかなければなりません。こうした撤回文書が、今後国内外にどのような影響を与えていくか、彼らは、そのようなことを考えて文書を作成したのでしょうか?
次は、以下の記事です。
失言 何度目ですか 35面
「過去に問題となった麻生氏の発言」一覧表はカットしました。ただ、ここにも麻生氏個人の失言癖にのスリカエる朝日の姑息・問題が浮き彫りになっています。それについては、一番最後に掲載しておきます。
失言、釈明、撤回。ナチス・ドイツを引き合いにした発言が批判を浴びた麻生太郎副総理は、これまでも「問題発言」を繰り返してきた。なぜこうもつづくのか。1面参照
「影響を計算できない人」識者苦言
「麻生氏には、公の場での発言の影響を計算する能力が欠落している」。北海道大大学院の加藤重広教授(言語学)は、厳しく指摘する。
「アルツハイマーの人でも分かる」「金がねえなら結婚しない方がいい」。これまでも、首相や外相だったころの発言が関係者の怒りを買った。本人は否定したが、2008年には「ナチスに例えて民主党を批判した」として同党が反発したこともあった。
「なぜ政治家の失言はなくならないのか」と題した講演経験もある加藤教授は「品のない言い方をした方が、聞く人に響く。麻生氏は、このテクニックをよく使う」とみる。その上で「『ここまでなら言って大丈夫』との計算がないのは、あまりに自覚が足りない」と批判した。
原彬久・東京国際大学名誉教授(政治学)も「今回は弁解しきれない。国益を損傷し、日本の品格を汚してしまった」と話す。
発言が出たシンポジウムは、ジャーナリストの桜井よしこ氏が理事長を務める「国家基本問題研究所」が東京都内で開いた。桜井氏が司会で、麻生氏や西村真悟衆院議員(無所属)らがパネリストを務めた。それぞれ改憲や国防などについて考えが近いとされる。
原名誉教授は「日本の政治家は、地元の選挙区に帰ったときや小さな会合での失言が多い。今回も、いわば身内の会合という安心感があって麻生節が出たのでは」と話す。
麻生氏は1日、発言を撤回。「私の真意と異なり誤解を招いたことは遺憾だ」と釈明した。
ただ、「真意と異なる」「誤解を招いた」は政治家の釈明の常套句。原名誉教授は「謝罪すれば許す日本の文化も問題。内輪で許しあう文化は日本の良さでもあったが、世界では通用しない」と苦言を呈した。
麻生氏の釈明を「責任を人になすりつけていて、最悪」と指摘するのは、日本大芸術学部の佐藤綾子教授](パフォーマンス心理学)。首相経験者も含め、これまで50人の国会議員に演説の指導をしてきた。「『あるまじきことを言ってしまい、自分を恥じている。許してください』とはっきり謝るべきだった」
海外から批判を招いた点についても「『反日』というレンズを通ったり、発言の一部を切り取って翻訳されたりすることも意識して話すのが公人」と話した。(引用ここまで)
愛国者の邪論
1.ここに登場するコメントは、麻生氏個人の性癖に矮小化しようとする意図が透けて見えてきます。本質逸らしです。決して麻生氏の「ミス」ではありません。政治状況や世論の動向などを見ながら発言する確信犯です。
2.この発言は、「身内の会合という安心感」がホンネを出させたのでしょう。しかし、一部のメディアが取り上げたことで「懸念」が沸き起こり、「発言撤回」という「火消し」と「幕引き」となったのです。後は「無視」です。
3.それは、「確かに発言は不適切だが、委員会審議はないと決めているから今国会は無理。秋の国会なら追及できるが、その前にいろんなニュースがあって忘れられる」(自民党国対幹部)発言が何よりの証拠です。
次は、五輪招致問題にスリカエる朝日の姑息さが浮き彫りになっている記事です。
五輪招致に心配の声 特別顧問努める 35面
2020年夏季五輪の招致を目指す東京都。ある幹部は「誤解されかねない発言は控えてもらいたい」と漏らす。 麻生氏は、招致委員会の評議会で特別顧問を務める。7月にはスイスのローザンヌに赴き、政府として東京招致を全面的に支援する姿勢を国際オリンピック委員会(IOC)委員にアピールしたばかりだった。 招致関係者にとっては、猪瀬直樹都知事が4月に「イスラム諸国はお互いにけんかばかりしている」と発言した苦い記憶も残る。今回は、開催都市決定を9月7日に控えた時期の問題発言。都幹部は「海外向けのロビー活動も大詰めを迎えた大事な時期なのに」と心配する。一方、別の幹部は「発言の中身は五輪招致と全く関係ない。結びつけるべきではない」と話した。(引用ここまで)
愛国者の邪論
この五輪招致問題については、以下の記事が、その本質を浮き彫りにしています。質問するメディアと不祥事発言を引き起こしたアベノミクスを東京都で推進する猪瀬都知事の反応と、これを記事にする朝日の姑息さです。
【猪瀬直樹知事会見詳報】麻生副総理発言「撤回したからもう終わり」2013.8.4 07:00 [猪瀬直樹都知事]
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130804/lcl13080407000000-n4.htm
【質疑応答】
--7月にスイスに一緒に行ってIOC委員にプレゼンした麻生副総理がナチス政権を引き合いにした発言をし、撤回した。発言をどう受け止めたか。また、東京の五輪招致に与える影響は
「撤回したんでしょ、撤回したから終わりですよ。それについてコメントする立場には、オリンピックについて発言する立場にはありません」
--影響については、低いということか
「撤回したんでしょ、はい」(引用ここまで)
最後の最後で、少し本質的な記事が書かれていました。しかし囲み記事でした。しかも読者のコメント、更には外国人情報で、「書き込みもあった」程度でした。国内の情報としては、無視でした。ここに朝日の姑息さが、改めて浮き彫りになっています。何で外国なんだ!と。
「元はナチ同盟国」「東条英機が誕生」海外サイトに書き込み続々 35面
世界最大級の米国のソーシャルニュースサイト「ザ・ハフィントン・ポスト」には、麻生氏の発言を伝える記事を配信した直後から、読者のコメントが次々書き込まれた。
ある読者は「彼は(終末期医療をめぐり)『さっさと死ねるようにしてもらいたい』と発言したこともある」と麻生氏の「失言歴」を指摘。「日本は、なんと言ってもナチスの仲間だった」「日本は第2次大戦で果たした役割や近隣諸国に与えた影響を常に否定してきた」といった、戦時中の同盟関係や歴史認識に触れた書き込みもあった。
麻生氏の発言後、メディアが「『ナチの改憲手法学べ』麻生氏発言波紋」などと大々的に取り上げた韓国。ニュースサイトの書き込み欄には「東条英機が誕生したみたいだ」「軍国主義を忘れられずにもがいている」などの投稿が相次いだ。「ナチス政権が消滅して生まれ変わったドイツのように、新しい日本が誕生することを期待する」という意見や、「もう日本に地震が起きても同情すらわかない」というコメントもあった。(引用ここまで)
麻生氏の「失言」「言い間違い」などが、確信犯的発言であることを証明する記事をご覧ください。この「失言」について、日本のメディアはほとんど伝えていません。恥ずべきことです。
朴大統領の就任日に麻生副総理が詭弁、第一歩からこじれた韓日関係(1)
2013年04月23日08時53分 ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/789/170789.html?servcode=A00§code=A10
朴大統領の就任日に麻生副総理が詭弁、第一歩からこじれた韓日関係(2)
2013年04月23日08時54分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/790/170790.html?servcode=A00§code=A10
麻生「失言」「ナチス手口学べ」事件は、以下の記事をそのまま使ってみることです。麻生氏を断罪し、麻生氏のお仲間たちを博物館に送り、文字通り憲法を生かす政権づくりが必要であることが国民的合意となるようにしていかなければと思う今日この頃です。
侵略戦争認識のない国会議員公務員は憲法尊重擁護の義務違反として辞職すべし!という世論を今こそ!2013-05-23 23:55:47