愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

トモダチ作戦は日本人のため(小泉進次郎氏)だけだった?ウソでしょ!これが新次郎氏のトリックだ!

2013-08-15 | 日記

12日の記事で、米軍ヘリ墜落の原因解明や責任問題を曖昧にしたまま沖縄のオスプレイ追加強行配備が行われたことに対する自民党小泉進次郎青年局長の発言を検証しました。

進次郎発言で改めてトモダチ作戦の本質が!米軍ヘリ墜落免罪・オスプレイ強行配備正当化論こそ麻生手口論! 2013‐08‐12 21:59:00 

今日は、その検証を踏まえて米軍のトモダチ作戦そのものについて、更に検証してみます。 

1.「トモダチ作戦」のネライは、貫徹している! 

まず、以下の「トモダチ作戦」の印象記事をお読みください。この世論調査をみると、米軍と日本政府の思惑は成功しています。 

米軍の支援活動「トモダチ作戦」に対する印象(自衛隊・防衛問題に関する世論調査)

http://www8.cao.go.jp/survey/h23/h23-bouei/2-4.html

 アメリカ軍は,東日本大震災に係わる人道支援や災害救援活動を「トモダチ作戦」と命名し,捜索救助活動や物資輸送,がれき除去,生活支援などさまざまな活動を実施したが,これらアメリカ軍による支援活動について,どのような印象を持っているか聞いたところ,「成果をあげたという印象を持っている」とする者の割合が79.2%(「大きな成果をあげたという印象を持っている」25.8%+「ある程度成果をあげたという印象を持っている」53.4%),「成果をあげなかったという印象を持っている」とする者の割合が15.5%(「あまり成果をあげなかったという印象を持っている」14.7%+「全く成果をあげなかったという印象を持っている」0.8%)となっている。(引用ここまで

「米国に親しみ」過去最高8割超、トモダチ作戦が要因 内閣府調査(産経 ...

「米に親しみ」最高の82%に トモダチ作戦を好感か 

こうした国民の「トモダチ作戦」に対する印象が、以下の高校生の行動となって具体化されています。 

「トモダチ作戦」にお礼の旅=気仙沼の高校生ら8人訪米-成田 (2013/03/24-20:16)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201303/2013032400197

東日本大震災で米軍が行った「トモダチ作戦」に感謝の意を伝えるため、基地のある米サンディエゴへ向け出発する宮城県気仙沼市の高校生ら=24日午後、成田空港

 東日本大震災で米軍が展開した被災地支援の「トモダチ作戦」に感謝の意を表そうと、宮城県気仙沼市の高校生ら8人が24日夕、成田空港から海軍と海兵隊の基地がある米サンディエゴへ向け出発した。現地では6日間の日程で、基地の表敬訪問や地元住民との交流などを行う。 気仙沼市は津波で大きな被害を受け、気仙沼湾に浮かぶ大島は船着き場が流され孤立状態となった。こうした中、海兵隊は大島に約300人を投入。海軍が近くに停泊させた強襲揚陸艦から水陸両用車で乗り込み、救援物資を運ぶなどの支援を行った。(引用ここまで 

以下の毎日の記者の目は、あけすけに「トモダチ作戦」の意義を書きました。ここに「トモダチ作戦」の本質があります。東日本大震災の被災者が日米軍事同盟深化派に利用されたというべきです。 

この記者の「深刻な財政事情を抱える米国を、今度は日本が助け、支援する役割を担う」という思想こそ、卑屈さを如実に示したものです。何故か。日本は、アメリカの「深刻な財政事情」に対して、「思いやり予算」「日米経済構造協議」による国債発行と公共事業費の捻出をはじめとして、米軍兵器や円高=ドル安攻勢に協力してきたこと、日米軍事同盟第2条の具体化に「誠心誠意」努力してきたのでした。これらは皆、国民の税金を使ってのことでした。こうした事実を、すっかり忘れてしまっているのは、無責任極まりないことです。 

しかも、名目上は国の独立と国民の安全を守るとしている人殺し装置としての軍隊が、被災している国民を救援しなかったら、その存在意義しら失うことは明瞭です。軍隊が災害救援に参加するのは、こうした軍隊の本質を失わないためです。災害救援そのものは、軍隊でなくても、災害救助隊を軍隊なみの編成で設置していればすむことです。憲法9条をもつ国である日本は、このことを再度確認する必要があるでしょう。 

毎日記者の目:震災2年 米国の支援=及川正也(外信部) 2013年03月14日 00時10分

http://mainichi.jp/opinion/news/20130314k0000m070100000c.html

 ◇「トモダチ」を外交の手本に

 東日本大震災で日本は多くの国々や人々に助けられた。なかでも、「トモダチ」をキーワードにした米国の軍事支援と、それに続く官民交流は、日米関係の土台を再構築する働きがあった。外交は「国益」で動くが、米国の貢献は「困ったときに助け合う」という同盟の本質に裏打ちされた純粋な「友情」の証しだったと思う。今も続く対日支援「トモダチ」は、日本の今後の外交政策にとっても手本となるはずだ。 「日米関係は共通の価値観に根付いており、その一つが『困ったときに助け合う』ことだ。米軍と自衛隊が一体となったトモダチ作戦は日米同盟の揺るぎない強さを世界に示した」。ケリー米国務長官は震災2年を前に8日声明を発表し「米国が一定の役割を果たせた」と振り返った。

 ◇機動力と動員力 震災直後に発揮

 2年前、私は震災直後の米軍と自衛隊による救援活動を取材し、後に検証する仕事に携わった。原子力空母の派遣や仙台空港への強行着陸など実戦さながらの機動力と動員力で「日本救援作戦」を展開した米軍の意思と実力には、自衛隊幹部も驚きを隠さなかった。 トモダチ作戦は、米軍普天間飛行場移設問題でぎくしゃくした日米関係を好転させるための「舞台回し」という冷めた見方があった。宮城県の離島・気仙沼大島への「上陸」など実戦を想定していたという指摘や、米軍の大規模展開は中国やロシアへの軍事力誇示との分析もあった。 そういう政治的側面は確かに否定できない。しかし、被災地に派遣された米兵は自衛隊や住民らと終日泥まみれでがれきを除去し、遺体を処理し、空港や鉄道を復旧させ、「友情」の証しとして感謝されたのは事実だ。仙台空港近くの海岸には「ARIGATO」、宮城県女川町の大地には「THANK YOU USA」と感謝の文字がそれぞれ描かれ、作戦に携わった多くの米軍幹部が「誇りに思う」と口々に話した。 米軍とて万能ではない。東京電力福島第1原発事故への対応は手探りだった。在日米軍に放射線被ばくした場合の厳密なガイドラインがなく、航空機による放射線測定作業ではパイロットを志願制にせざるを得なかったことをフィールド司令官(当時)は後に明かした。「私は当時、原子炉に関する知識は何もなかった。(原発事故対応は)米軍にとっても初めての経験だった」。米軍も困難を克服しつつの作業だったのだ。震災2年にあたる11日、オバマ米政権のドニロン米大統領補佐官は「この時ほど両国の友情が明白に示されたことはない」と強調した。「友情」はお飾りで、自国民の保護や、日本という戦略拠点の死守といった国益に照らした行動をしただけという指摘もわかる。しかし、困難に直面した仲間を見捨てないという人情が日米の間に横たわっていたのは確かだ。こうした人間的なつながりこそ、同盟を支える礎だと思う。

 約50日に及ぶトモダチ作戦後も支援は続く。震災7カ月後に始まり、今に至る官民交流事業「トモダチ・イニシアチブ」だ。ルース駐日米大使が岩手県陸前高田市の戸羽太市長と面会した際、「日本の若い世代に希望と夢を与えてください」と求められたのが創設のきっかけだった。 事業は教育交流などを柱に現在25以上ある。夏休みに被災地の高校生を米国に招くホームステイ事業は今年、倍増して120人にする計画で、裾野も広がりつつある。ルース大使は「若い世代への投資なしに日米関係の広がりはない」と人材育成の重要性を強調する。「トモダチ」が同盟の象徴にまで成長したカギは、震災の悲劇を将来の希望へと転化させようとする構想力と行動力だった。フィールド司令官は「オバマ大統領から国民まで、だれもが支援してくれた」と言う。同盟を強固にすることが米国の国益であり、だからこそ友情を示せたのだろう。

 ◇民間の協力、交流 政府が後押しを

 「トモダチ・イニシアチブ」は、被災地の若者だけでなく、日米の幅広い人的交流の新たな枠組みになる可能性を秘めている。深刻な財政事情を抱える米国を、今度は日本が助け、支援する役割を担う。息の長いプロジェクトにするためにも日本の官民の協力が欠かせない。 日本の支援でも「トモダチ」は参考になる。例えばNPOを通じた支援だ。震災漂流物対策に日米のNPOが協力しているのは、いい例になる。政府同士では制約や対立がある分野で民間が果たす役割は大きい。それを政府が後押しすることで新たな対米外交を構築すべきではないか。(引用ここまで 

2.「トモダチ作戦」の本質は何か、麻生式手口ー麻生式民主主義の手口が浮き彫りに! 

毎日の記者の目にみるような認識だからこそ、マスメディアを通して、米軍の「トモダチ作戦」がどのように展開されたか、ほとんどマスにはならないことが判ります。ここに、麻生式民主主義の手口が浮き彫りになってきます。この手口は、戦前戦後一貫しています。以下の指摘が、マスになれば、局面は大きく変わってくることは明らかです。 

検証 米軍「トモダチ作戦」 - 日本共産党中央委員会  

NPJ通信 米軍は真の「トモダチであったか東日本大震災 ...

トモダチ作戦は核戦争の実験場だった ウォールストリートジャーナルから

http://jp.wsj.com/public/page/0_0_WJPP_7000-252460.html?mg=inert-wsj

海兵隊の航空機が放射能汚染下で作戦行動するのは今回が初めて。マーシュ中佐は、この経験

は「戦略的な価値がある」と強調。アモス司令官に対し、将来、「原発災害、ダーティボムやテロ事件などがどこかで起きた場合、われわれが対応できることを想定することは難しくない」と説明した。 北日本の地上任務に就く海兵隊員の第一団には、軽量の放射線防護服・ フード、安定ヨウ素剤、携帯用放射線検出器が支給された。海兵隊によると、救援物資輸送の終了ごとに乗組員と航空機は放射線量の検査を受けた。また特別チームは毎日、日本周辺の放射線量を計測し、軍司令官や関係者に最新の情報を提供していた。 第3海兵遠征軍の核事故即応チームが準備した説明スライドによると、航空機37機、300以上の車両や主要装備類のほか、数百人の隊員の放射線量検査が実施された。 米軍による対応がすべて成功したわけではない。145人の隊員で構成される海兵隊の核・生物・化学兵器対応専門部隊(CBIRF)は4月上旬に日本に到着し、初の海外派遣となった。予防措置として送られた同部隊は日本側と訓練はしたが、実際に展開することはなく、駐屯基地のメリーランド州に帰った。海兵隊の報告によると、同部隊の日本派遣で「学んだ教訓」は、政治的な意味はあったものの、実際的な効果はほとんどなかったとしている。 日本での震災救援任務で得られた他の教訓は、機密情報と監視情報を共有できた点だいう。 第3海兵遠征軍司令官のケネス・グラック中将は、無人機と偵察機が収集した重要な映像などを共有する決定は今回の救援活動で重要な役割を果たした、と指摘した。(部分引用終り) 

トモダチ作戦 軍の論理に無防備な国よ - 琉球新報 - 沖縄の新聞地域の ...  

3.トモダチ作戦の本質、世界世界戦略としての核「抑止力」論は、ゴマカセナイ! 

さて、ここで、「トモダチ」作戦に参加した兵士自身が、以下のような行動に出ていることをどのようにみるか、です。

一つには、日米両政府の思惑を超えた米軍兵士の人間としての主張が見られることに共感します。

二つには、東電に、その責任があることは当然のことですが、こうした兵士の主張を日米両政府が無視することに、今回の「トモダチ作戦」の本質、軍隊の本質をみることができます。

三つは、日米両政府の世界戦略として「原子力政策」=「核抑止力」論を免罪する「トモダチ作戦」であったことを見ることができます。 

トモダチ作戦で被ばく米兵らが東電を提訴 | 日テレNEWS24< 2012年12月28日 16:24 >

 東日本大震災の支援活動に当たったアメリカ軍空母の乗組員らが、福島第一原発事故に関する誤った情報で被ばくしたとして、「東京電力」に損害賠償などを求める訴えをアメリカの裁判所に起こした。21日に訴えを起こしたのは、アメリカ軍が行った支援活動「トモダチ作戦」で震災直後に福島県沖などに派遣された空母「ロナルド・レーガン」の乗組員8人と震災後に生まれた幼児1人の計9人。訴状の中で、乗組員らは「東京電力が日本政府とともに、原発事故による放射能漏れは脅威をもたらすレベルではないという印象を作り出した」と主張。誤った情報によって有害なレベルの放射線量を被ばくし、がんのリスクが高まったとして、損害賠償など約190億円の支払いを求めている。(引用ここまで 

トモダチ作戦で被曝、幼児が一人増え190億円―アメリカ : ZAPZAP!  2012年12月29日

東日本大震災後、翌日から米軍による支援活動、所謂『トモダチ作戦』が行われました。この活動で米空母の乗員8名が甲板で作業中に被曝したと訴え、東電に対し94億円の損害賠償を求める訴えをアメリカで起こしました。しかし最近、震災後生まれた幼児が1人増え190億円になったとのことです。(引用ここまで

被災地でトモダチ作戦を行った米軍が1900億請求してきた件 2013年03月17日,3 17,22:33

http://katsumoku.net/archives/6379515.html

アメリカの救援部隊が東京電力に対し20億ドル(約1900億円)以上の訴訟を起こそうとしていると"Stars and Stripes news paper"が伝えている。 彼らは2年前の原発災害の救援活動で危険にさらされた。この訴訟は当初9人の原告団で昨年12月に始まったが、現在は26人まで拡大している。 そしてさらに100人が参加に向けて手続きを進めているという。 新たな訴訟は、東日本大震災から2周年の翌日3月14日にカリフォルニアの米連邦地裁で起こされた。同震災では15,881人が死亡し、2,668人が未だに行方不明だ。 原告団には現役の隊員、退役した海兵隊員、派遣団員、危険地域で作業した船の乗組員が含まれている。原告団は、国防総省が甚大な健康被害には晒されていないと主張し、この被害が簡単に清算されようとしていることに不満を述べている。 彼らは震災活動によって頭痛や集中力の欠如、直腸出血、甲状腺疾患、ガン、腫瘍、妊娠時の出血などの被害を受けたとしている。
http://www.rawstory.com/rs/2013/03/15/u-s-military-members-suing-over-japan-nuke-disaster/

日本のマスメディアは伝えない!「トモダチ作戦」の米空母・乗組員  2012-12-30 17:29:13  

4.憲法の平和主義と相容れない「トモダチ作戦」

以下の記事は、政府自身がまとめたものです。このレポートをまとめた朝妻氏の指摘にあるように、今回の救援は、何も米軍だけのものではありませんでした。この支援が、日本の平和外交の下で行われてきた人命救助、医療支援の尽力の成果であることは明らかです。こうした事実を抜きに、米軍の「トモダチ作戦」だけを強調するところに、日米軍事同盟深化派の姑息と国民や世界諸国民の良心を利用した狡猾さをみることができます。 

ここに小泉進次郎氏のトリックが浮き彫りになります。或いは彼自身が気づいていないのかも知れません、或いは意図的にそのフリをしているのかもしれません。いずれにしても、「トモダチ作戦」による米軍のオトモダチぶりを強調することで、沖縄の基地存続を免罪しているという事実は隠すことはできません。 

そうしたパフォーマンスが席巻するなかだからこそ、日本国民は、軍事を絡めない非軍事の救援・支援が活発に行われることによってこそ、日本が世界平和に貢献していくこと、この立場こそ、憲法の平和主義の立場であることに確信をもっていくべきです。 

東日本大震災の発生直後から、日本は米国による「トモダチ作戦」を ...

東日本大震災における海外からの緊急援助 朝妻信一(前外務省大臣官房危機管理室調整室長・外務省アフリカ審議官組織アフリカ第2課長)

東日本大震災の発生直後から、日本は米国による「トモダチ作戦をはじめとして、多くの国·地域·機関からの支援を受けた。あわせて163の国·地域および計43の機関が支援意図を表明し、これまでに126の国·地域·機関から、物資·寄付金による支援が行われた。未曾有の災害に対して未曾有の支援が実施されたと言えよう。一方、これまで、海外で自然災害が発生するたびに、日本は国際緊急部隊を派遣し、人命救助、医療支援に尽力してきた。・・・今回、これほど多くの国・地域・機関から日本への支援が寄せられたのは、これまで日本から受けてきたそういった援助に対する温かい返礼の気持ちが込められていたからではないだろうか。(引用ここまで 

東日本大震災での中国からの援助は前例のないもの - 人民網日本語版

東日本大震災で中国国際救援隊が高い評価を得た=中国メディア 2011 ...

東日本大震災義援金1位米国2位台湾5位中国も恩着せがましく騒ぐ韓国 ...

中国、支援評価されず不満…トモダチ作戦の陰で : 国際 : YOMIURI ...

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝日の戦前戦後の歴史認識の姑息を糺し正す!天皇制を回避して真の侵略戦争を反省したことにならない!

2013-08-15 | 日記

今日の朝日の社説を読んで、そのゴマカシ・スリカエ・自己免罪ぶりに改めて憤りを感じました。それは何故か。以下まとめてみました。

 

一つは、これでは世論をミスリードすることになるだろうということが最大の問題です。大東亜戦争に協力加担した朝日は、朝日の発する情報によって、戦争に協力せざるを得なかった国民、戦争に疑問すら出すことのできなかった国民の苦悩、更に言えば、加害行為によって被害を受けた日本国民と被害を受けた諸国民の惨禍と苦悩をどのように総括するのでしょうか?朝日は、戦争直後、それから戦後を、どのような立場から、スタートしたのでしょうか?以下の指摘をどのように受け止めるか、です。

(1)朝日新聞綱領

(2)日本の戦争責任を追及する「朝日新聞」の戦争責任

 

二つは、侵略の事実を指摘してはいるものの、そうして反省しているフリをしていながら、実は侵略を最高権力者として推進した天皇の戦争責任問題を曖昧にしているのです。朝日の指摘する大東亜共栄圏構想の大本にある大日本帝国憲法体制の問題・本質に迫っていないのです。大東亜共栄圏論と八紘一宇論は、万世一系・神聖不可侵・統治権を総攬した天皇、天皇主権論の延長線上にある問題ですが、この問題を朝日は回避しているのです。

 

三つは、しかも、大東亜共栄圏構想を推進させ、天皇制と軍部と一蓮托生であった三井・三菱・住友・安田をはじめとした財閥過去に存在した財閥の戦争責任問題を曖昧にし、免罪しているからです。もう一つは天皇自身が日本最大の大株主・大地主であったという事実を覆い隠しているのです。

 

四つは、こうした立場が、実は、戦後史を彩ってきた日米軍事同盟を推進し、深化させることで利益を独占してきた勢力を免罪することになっているからです。

 

(1)朝日は「戦前戦中の日本の責任を問う声がアジアから湧き起こるまでには時間がかかった。それは、戦後の秩序の影響が大きい米国とソ連が世界を二分した冷戦の時代」だとしますが、この「冷戦時代」をアメリカ陣営に取り込むためにアメリカが利用したのは天皇裕仁と天皇制でしたし、天皇制を護持ずるために天皇自身はアメリカを利用したのです。朝日は、このことを曖昧にしています。

(2)このことは、戦前は大東亜共栄圏戦後は、安倍首相の言葉をもってするならば、日米軍事同盟の絆の体制にもとづく自由と民主主義を共通の価値観とする政治・経済体制ということになります。

(3)この体制の構築で利益を独占するのは、日米の多国籍企業です。日本で言えば、戦前の、過去に存在した財閥と言えます。

(4)こうした、いわゆる財閥勢力は、日本政府に対する中国やアジアの歴史認識問題についての不信感のなかにあって、一貫してスルーしながら、またダンマリを続けながら、アジアへの企業進出によって膨大な利益を独占してきたのです。このことは先に行われた安倍外交に、彼らが同行したことを視れば明瞭です。

(5)しかも、過去に存在した財閥が、強制連行に対する戦後補償・賠償補償にどのような立場で臨んでいるか、以下の事例をヒントに考えてみれば、いわゆる財閥の、そしてそれを引き継いだ日本資本主義の戦争責任問題を曖昧にすることはできません。

戦後補償裁判における花岡事件訴訟和解の意義

新日鉄訴訟和解

強制連行などの戦後補償 どう考える? - 日本共産党中央委員会

朝日社説 徴用工の補償/混乱回避へ知恵しぼれ 2013/7/25 4:00

 

五つは、「その結果、当時は日本人だったはずの朝鮮人や台湾人の保護責任もあっさり放棄した。アジアを率いる指導者面しておいて突然、知らん顔をする。それが68年前の実相だった」という指摘に、朝日の戦争責任免罪論が浮き彫りになります。「68年前の実相」どころではありません。こうした論調になることそのものに、朝日の歴史認識の貧困さと傲慢さがにじみ出ているのです。以下ご覧ください。

(1)日本の指導者たちのアジア蔑視は吉田松陰の攘夷論と福澤諭吉の「脱亜入欧」論によるところが大きいこと。

(2)この思想が侵略思想となり、アジアに塗炭の惨禍をつくりだしたこと。

(3)その思想の総括と反省をしていないことが、戦後、賃金の安い地域であるアジア経済進出をつくりだしたこと。

(4)その経済的恩恵を多国籍企業化した財閥が受けたこと、そのおこぼれに日本国民が預かったこと。

 

六つは、戦争責任・歴史認識と向き合わない朝日の立場は、同じように戦争責任と歴史認識に向き合わない安倍自公政権のすすめる日米同盟深化論とアベノミクス成長戦略論、憲法改悪論と真に対峙できない思想を浮き彫りにするものです。このことは、逆に言えば、真に対峙する論調や勢力の主張と運動を、マスメディアとして、ジャーナリズムとして紹介し、国民の判断に委ねるという思想の弱さを示すものです。

 

それでは、問題の社説を掲載しておきます。問題部分は強調しておきます。

 

戦後68年と近隣外交―内向き思考を抜け出そう 2013年 8月 15 日(木)付

http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup

 人気バンド、サザンオールスターズの新曲は「ピースとハイライト」。暑い夏の人々の心をつかんだ歌はこう始まる。 ――何気(なにげ)なく観(み)たニュースでお隣の人が怒ってた/今までどんなに対話(はな)してもそれぞれの主張は変わらない/教科書は現代史をやる前に時間切れ/そこが一番知りたいのに何でそうなっちゃうの?――  今の私たちに最も近いはずなのに見えにくい。そんな現代史を考えるために、1945年8月15日の「お隣」で何が起きていたかを振り返ろう。

■無関心の原点

 その日までの日本は、アジアで広大な領域とさまざまな民族を支配する帝国だった。  掲げた看板は「大東亜共栄圏」。日本が欧米からアジアを解放すると唱え、太平洋戦争を「大東亜戦争」と呼んだ。  ところが敗戦とともに、日本は、その東亜圏との関係を断ち切ってしまった。  作家の故・堀田善衛はその日を上海で迎えた。ラジオで聞いた終戦の詔勅に「怒りとも悲しみともなんともつかぬものに身がふるえた」と記している。  彼の周りには、日本と親しい中国の文化人が多くいた。ところが詔勅は、もっぱら日本本土向けで、アジアに対しては「諸盟邦ニ対シ遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス」と片づけていた。  堀田はそんな宣言を「薄情」「エゴイズム」と感じた。(ちくま学芸文庫「上海にて」)  日本の敗戦の過程に詳しい国文学研究資料館助教の加藤聖文さんは「当時の政府は国体(天皇制)護持という内向きの議論ばかりしていた。詔勅はその素(す)の気持ちが表れた」とみる。  その結果、当時は日本人だったはずの朝鮮人や台湾人の保護責任もあっさり放棄した。  アジアを率いる指導者面しておいて突然、知らん顔をする。それが68年前の実相だった。

■国際環境は変わる

 戦前戦中の日本の責任を問う声がアジアから湧き起こるまでには時間がかかった。それは、戦後の秩序の影響が大きい。  米国とソ連が世界を二分した冷戦の時代。日本と台湾、韓国は米国陣営に組み入れられた。さらに日本は高度成長にも入った。資金と技術で隣国を助ける優位を保つことができた。  70年代までに終えた近隣との国交正常化は、冷戦構造の産物でもある。日本への賠償請求権は消えたとされたが、当時の近隣諸国では外交に民意が反映される状況ではなかった。  やがて冷戦は終わる。グローバル経済の時代、韓国は先進国へ、中国は大国へと成長した。日本と国力の差がなくなるにつれ、歴史問題に由来する大衆感情が噴き出している。  日本はもはや軍国主義は遠い遺物と思っても、隣の民衆にとっては戦争を問う時が今やってきた。そこには歴史観の時差ともいえる認識のズレがある。  日本の政権も無策だったわけではない。93年に宮沢喜一政権は従軍慰安婦をめぐる「河野談話」を出し、95年に村山富市首相は「植民地支配と侵略」の談話でアジアに謝罪した。それを歴代内閣は引き継いできた。  しかし安倍首相は当初、継承を明言しなかった。加えて「侵略の定義は定まっていない」とも発言し、波紋を呼んだ。  中韓首脳にとって、歴史は、貧富の格差など国内問題から国民の目をそらす手段にもなる。だとしても、そんな思惑に対抗するかのように日本もナショナリズムの大衆迎合に走ってしまえば悪循環は止まらない。  安倍政権の歴史認識については、同盟相手の米政府も懸念している。侵略の史実を否定すれば、日本の歴史認識に対する国際世論の風当たりは強まる

■他者を知ることから

 他の国々との関係を忘れた内向きな思考に拘泥していると、外交の幅を狭め、自縄自縛の隘路(あいろ)に迷い込む。それは、戦争の失敗から日本が学んだはずの教訓だったが、今もその思考の癖から抜け出せていないのではないだろうか。  多くの日本人にとって、戦争の光景とは、日本各地の惨状だろう。この夏に公開されている映画も、日本を舞台にした「風立ちぬ」「終戦のエンペラー」「少年H」。どれも平和の尊さを人間味豊かに描いている。  私たち国民が実体験した戦争を語り継ぐのは、当然の責務である。ただ、そこで立ち止まらず、想像をアジア、世界へと広げたい。あの戦争の被害に国境はなかったのだから。  昨年夏の朝日新聞の世論調査によると、「日中戦争は日本による侵略戦争だったと思いますか」との問いに日本では「そう思う」との答えが52%、「そう思わない」が31%。中国では99%が「そう思う」と答えた。  この認識の溝は、あまりに深い。だが、そこが出発点だ。アジア抜きに日本の未来は語れない今の時代こそ、じっくり考えよう。「お隣」は今なおなぜ、怒り続けているのか、と。引用ここまで

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする