安倍首相の日米会談における大ウソ・大言壮語・恥ずべき言動を検証すべし!
安倍首相の演説ほど、ウソで彩られたものはないと確信するものです。以下ご覧ください。NHKも各紙も、安倍首相の演説の全文を紹介するほどの入れ込みに異常さを感じています!しかし、この異常さを、安倍首相退陣に使うしたたかさが大切です。そこで検証してみました。
日米首脳 同盟強化確認しTPP早期妥結で一致 4月29日 1時59分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150429/k10010064551000.html
安倍首相米議会演説 全文 4月30日 2時16分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150430/k10010065271000.html
この大うウソについて、検証することが、今日本において、もっとも重要なことではないかと確信するものです。それは世界の恥となる思想と文章であること、ま、よくも、このような文書を発表したものだと呆れてしまいます。
しかし、大ウソも批判され、検証されなければ「真実」として受け止められてしまいます。だからこそ、徹底的に、大ウソを暴いていく必要があると確信するものです。
そこで、安倍首相が、好んで使う「自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値」に係る部分について、検証してみることにしました。
1.岸信介は、次のように述べて演説を始めました。「日本が、世界の自由主義国と提携しているのも、民主主義の原則と理想を確信しているからであります。
戦前は「鬼畜米英」を叫んで、国民を侵略戦争に動員した岸信介にとって一番関心のあったことは「反共反ソ」で一致するアメリカへの命乞いでした。そのための取引材料に日米軍事同盟を使ったのでした。今やCIAの手先であったことは周知の事実です。このことが、「自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値』と相いれないものであることは明らかです。マスコミは、このことを、突っ込むべきです。
2.民主主義の基礎を、日本人は、近代化を始めてこのかた、ゲティスバーグ演説の有名な一節に求めてきたからです。…19世紀後半の日本を、民主主義に開眼させました。日本にとって、アメリカとの出会いとは、すなわち民主主義との遭遇でした。出会いは150年以上前にさかのぼり、年季を経ています。
よくもこんなことが言えるものです。高校の歴史の授業でも学習しないことを平気で言ってしまう歴史修正主義者=アベとはこういう人間だという典型です。大日本帝国憲法体制が、リンカーンの、あの演説とは真逆の体制であることは常識です。自由民権運動を弾圧する讒謗律・新聞紙条例・集会条例などの弾圧令から治安警察法・治安維持法が「民主主義に開眼させ」たもの、「民主主義との遭遇」でしょうか。デタラメもいい加減にしろ!です。マスコミも、ここを突っ込むべきです。歴史研究者は声を大にして抗議すべきです。これが事実となるのであれば、入学試験問題と解答を、教科書を買い替えなければなりません!
3.しかしそこには、さもなければ幸福な人生を送っただろうアメリカの若者の、痛み、悲しみが宿っている。家族への愛も。真珠湾、バターン・コレヒドール、珊瑚海…、メモリアルに刻まれた戦場の名が心をよぎり、私はアメリカの若者の、失われた夢、未来を思いました。歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです。私は深い悔悟を胸に、しばしその場に立って、黙祷を捧げました。親愛なる、友人の皆さん、日本国と、日本国民を代表し、先の戦争に斃れた米国の人々の魂に、深い一礼を捧げます。とこしえの、哀悼を捧げます。
「アメリカの若者の、失われた夢、未来」を奪った侵略戦争について、その責任と謝罪を一切語っていません!あの議場にいた大勢の議員たちのボンクラぶりが浮き彫りになります。中には起立もしなかった議員もいたようですが、それにしても、安倍首相の認識そのものが問題です。
だからでしょうか。「先の戦争に斃れた米国の人々」などと、第三者的な言葉を発するのです。日本が引き起こした侵略戦争で殺した米国人」とすべきところですが、「先の大戦」は「自存自衛」と思っているので、このような言い方になったのでしょう。日本のマスコミも、ここを突っ込むべきです。
4.この方のお祖父さんこそ、勇猛がいまに伝わる栗林忠道大将・硫黄島守備隊司令官でした。これを歴史の奇跡と呼ばずして、何をそう呼ぶべきでしょう。熾烈に戦い合った敵は、心の紐帯が結ぶ友になりました。スノーデン中将、和解の努力を尊く思います。
これについては、すでに記事に書きましたので、ご覧ください。
5.戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に、歩みを刻みました。みずからの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない。これらの点についての思いは、歴代総理と全く変わるものではありません。アジアの発展にどこまでも寄与し、地域の平和と、繁栄のため、力を惜しんではならない。みずからに言い聞かせ、歩んできました
「先の大戦」のどのような「みずからの行い」が、「アジア諸国民」に、どのような「苦しみを与えた」のか、侵略戦争について一切語っていません全くスルーしています。
しかも「アメリカの若者の、失われた夢、未来」を奪ったことに対して「日本国と、日本国民を代表し、先の戦争に斃れた米国の人々の魂に、深い一礼を捧げます。とこしえの、哀悼を捧げます」と語ったと同じようには語っていません。
「歴代総理と全く変わるものではありません」とありますが、それでは何故、中韓朝指導部と会談してこなかったのでしょうか。相手の責任に転嫁することは潔くありません!自らが招いたことであることは事実が示しています。マスコミも、ここを突っ込むべきです。放置することは許されません!
6.焦土と化した日本に、子どもたちの飲むミルク、身につけるセーターが、毎月毎月、米国の市民から届きました。山羊も、2036頭、やってきました。米国がみずからの市場を開け放ち、世界経済に自由を求めて育てた戦後経済システムによって、最も早くから、最大の便益を得たのは、日本です
全くの大ウソつき!ここでも安倍首相の大ウソつきぶりが発揮されます!ご都合主義者・歴史修正主義者安倍晋三!
「焦土と化した日本」に「押し付けた」のは「日本国憲法」だったのではないのか!「鬼畜米英」を叫んだ勢力と侵略戦争で大儲けをした財閥がアメリカに戦前の利益を保障されたのは、日本を「反共反ソの防波堤」にするためでした。事実財閥からは戦争犯罪者は出ていません!天皇裕仁と同じです。
7.こうして米国が、次いで日本が育てたものは、繁栄です。そして繁栄こそは、平和の苗床です。日本と米国がリードし、生い立ちの異なるアジア太平洋諸国に、いかなる国の恣意的な思惑にも左右されない、フェアで、ダイナミックで、持続可能な市場をつくりあげなければなりません。太平洋の市場では、知的財産がフリーライドされてはなりません。過酷な労働や、環境への負荷も見逃すわけにはいかない。許さずしてこそ、自由、民主主義、法の支配、私たちが奉じる共通の価値を、世界に広め、根づかせていくことができます。
対中「脅威」論に怯える、あるいは口実として対中包囲網作戦を強固なものにしていこうとアメリカを利用しようとする安倍首相の思想が浮き彫りになっています。「軍事抑止力」論の装置である日米軍事同盟を強化することで、アメリカを含めた「自由、民主主義、法の支配、私たちが奉じる共通の価値」をもつ諸国を利用した対中包囲網・中国敵視思想が浮き彫りになっています。
これこそが、満州事変以後の孤立への道と同じ道を歩むトンデモナイ道であることを安倍首相派は自覚できないでいます。それは、「19世紀後半の日本を、民主主義に開眼させました」などと、平気でウソを吐いて、大陸膨張主義である植民地支配と侵略戦争である大東亜戦争を「自存自衛」と正当化しているからです。
8.今回は戦後70年の節目の年の訪米であり、歴史的な意義を有する。自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値の上に立つ日米同盟がアジア太平洋や世界の平和と繁栄に指導的な役割を果たしているとの力強いメッセージを内外に向けて発したい。
繰り返します。安倍首相の、この「自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値」という言葉が、如何に大ウソか、如何に間違った認識か、如何に歴史を学んでこなかったか、その事実を明らかにしておくことが、特に重要です。この言葉を体現していくのは、日本国憲法を活かす道しかりません!
それは、先に述べてきたように、侵略戦争を正当化するにあたって、一貫してとってきたのは、安倍首相の好んで使う「自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値」を否定してはじめて侵略戦争、植民地支配が可能になったという事実です。安倍首相が「尊崇の念」をもって「哀悼の誠」を「捧げる」「ご英霊」が、命を奪われ「ご英霊」にさせられたのは、この「自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値」を尊重したからではありません!否定したからです。この事実を突っ込むべきです。曖昧は許されません!
だからこそ、戦後70年問題は、戦前の70年において、また戦後70年においても、「自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値」がどのように扱われたのか、そのことを抜きに語ることはできないのです。単に村山談話がどうのこうの、というレベルの話ではないのです!ここが、問題の最大のポイントです。ところが、この点については、マスコミをはじめ、政党も、一貫してスルーしているのです。これでは侵略戦争の反省の上に制定された憲法を「擁護」することはできません!活かすこともできません!
安倍首相が強調している「繁栄」の影で、どれだけの「自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値」が形骸化され、否定されてきたか、明らかにすることです。これについては、すでにたくさん書いてきましたので繰り返しません。
そのことは同時に、「押し付けられた憲法」論はスルーして「70年間にわたる両国のパートナーシップの強さ」などと述べることで、憲法違反の日米軍事同盟を「今後数十年間の成功」のための「希望の同盟」として位置付け、「アメリカと日本、力を合わせ、世界をもっとはるかによい場所にしていこう」「確かなものにするとして、これらの課題に取り組んでいく」などと、国際的に見ても「上から目線」の、極めて恥ずかしいことを言っているのです。
こうした妄想を国際社会と日本国民が許すでしょうか。ここに憲法違反の日米軍事同盟を廃棄して憲法平和主義を活かした対等平等の日米平和友好条約を締結する必然性が、いっそう浮き彫りになったきたように思います。
安倍首相の言い分を信じていけば、かつて日本国内の、植民地における、皇軍占領地における「自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値」を切れ目なく否定したことを同じことが、今後創りだされるということです。このことはアメリカが、その独立宣言の理念を放棄して、世界各地の「自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値」を切れ目なく否定したことを視れば明らかです。こうした方向に世界をもっていこうとする野望こそ、安倍首相の祖父岸信介が描いた「大東亜共栄圏構想の現代版」であることを、声を大にして述べておきたいと思います。
岸は、自決して責任を取ることを進言した先輩に対して
名にかへてこのみくいさの正しさを来世までも語り残さむ
という短歌を贈って断ったということですが、ここに安倍首相の思想が浮き彫りになるのです。