梅香崎橋のたもとにて、
春のかほりに、
暫し足を留むる。
「見渡せば 柳桜をこきまぜて 都は春の 錦なりけり」
と西行が歌を口ずさみ、
春は桜ばかりにあらず、
緑の美しさにも目を向けるべしと、
教えらるる。
その時、
梅香崎橋の袂にて、
ひとり桜を愛でし法師、
しばらくと我を呼び止むる。
何事と振り向けば、
いま口ずさみし歌、西行に非ず。素性法師の詠みし歌なり
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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