迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

げにさかがみのかげうつる。

2015-04-05 22:05:29 | 浮世見聞記
国立能楽堂で、金春流の「蝉丸」を観る。 舞の名手がシテをつとめるだけに、観るのを楽しみにしていた。 シテの“逆髪”は延喜帝の皇女ながら髪が逆立つ奇病のために心が乱れ、いつしか御所を抜け出し方々をさまよい歩くようになった、薄幸の女性である。 そのさまよい歩く様を描写したのが“道行”、流麗な節のついた謡にのせて華やかに舞う見せ場で、わたしも以前に二度、この件りを舞い仕ったことがある。 彼女 . . . 本文を読む
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