迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

時代を追いかけ取り残さるる。

2017-05-08 21:27:29 | 浮世見聞記
新宿の末廣亭で、昼席の主任(トリ)をつとめる雷門助六の落語を聴く。 噺は「鼻欲しい」。 吉原で梅毒をもらって鼻の欠けてしまった寺子屋師匠の武士が、川崎大師へ参詣する途次に、馬子に狂歌で鼻を嗤われるはなし。 現代では煤煙霞む京浜国道となった大師への道も、助六師が口演する馬子のゆったりとした話しっぷりによって、たちまち長閑な街道だった頃へと、時間が戻って行く。 ちなみに、過去の病気になりつつ . . . 本文を読む
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