迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

ニッポン徘徊──二位でも一位の天保山

2025-02-07 21:43:00 | 浮世見聞記


四天王寺で師匠と嵐家の御先祖に一ヶ月遅れの新年の挨拶を済ませたあと、日本一低い山“だった”天保山を訪ねばやと、存じ候。

まだ師匠に弟子入りする前、道頓堀の中座に出演してゐた師匠を拝見しに大阪を旅行した際に一度訪れて以来數十年ぶりのことで、こんもりとした木立ちがそれだった、くらゐの記憶しかない。 

さて、いまはどんな景色かしら……?



大阪メトロ中央線「大阪港」驛を下車、海遊館の大觀覧車を左に見つつ海方向に行くと、小高く土の盛られた公園あり。



そばには「天保山跡」と刻まれた石標があり、天保二年(1831年)に安治川の底を浚った際に出た土砂を積み上げて造った人工山云々。



階段のついた目の前の小山がさうかと思へどさにあらず、それを越えて安治川河口を正面に見た右隅、明治天皇聖蹟碑の建つちょっとした廣場が天保山の山頂にて、標高は4,53m。



かつては名實ともに日本一低い山だったが、東日本大震災の津波被害で仙臺市の日和山の標高が下ったことによりその座を明け渡すことなったが、



國家基準點である二等三角點を有する山としては、現在も日本一を維持云々。


(※戰前の天保山)

どちらも海に臨んだ人工山だが、仙臺市の日和山は可愛らしい響き、天保山(てんぽうざん)は年號を取ってゐるためか重厚な響きを感じる。


もっとも、一位だの二位だのは私にはどうでもよく、しっかり「山」として壮大な存在感を放ってゐるところに、私は魅力を感じるのである。


山頂からは、大阪市營渡船の渡し場が望める。



「おうい、待ってくれェ……!」

私は慌てて下山し、



ギリギリ間に合ふ。








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