迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

すべては“人の手”に。

2018-05-26 21:48:30 | 浮世見聞記
山形県県民会館やまぎんホールで、黒川能の公演を観る。 舞台を塩で清めると、「紅葉狩」が始まる。 この曲の詞章はすべて知ってゐるが、それでもシテやワキが何を言ってゐるのか、ほとんど分からない。 あまりにも分からなくて、しまいには笑ひが込み上げてくる。 しかし、シテの上臈が扇をとって舞ひ始めると、その姿の美しさにいつしか見惚れ、 「夢ばし醒まし給ふなよ」 の謡で塚の陰からキッと窺ふ表情に、 . . . 本文を読む
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