迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

尊厳儀礼の送り。

2018-05-29 18:26:50 | 浮世見聞記
「間もなくご遺体が通りますので、それまでここでお待ち願へますか」 中から出て来た男性にさう言はれて、私はにわかに厳粛な気持ちになった。 私はいまからそこに用事があるので、出直すわけにいかず、かと言ってそっぽを向くわけにもいかず、少し離れた場所に移らうかと思ってゐるうちに、チャック付の細長いカバーを乗せた寝台が、数人の男性の手で、静かに運び出されて来た。 間もなく寝台は、私の前を通ることになる . . . 本文を読む
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