迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

明治の奥行き。

2020-12-03 21:30:00 | 浮世見聞記
川崎浮世絵ギャラリーの「小林清親 光と影」展を観る。江戸末期に幕臣の子として生まれ、二十代の多感な時期に明治維新を経験した小林清親は、「夜明け」後の日本を繪師として生きる。明治十年代に、それまでの浮世繪と西洋繪画の技法を融合させた「光線画」と呼ばれる情緒的な木版画は、様々な技術を上手に取り入れて自分のものにしていく日本人生来の器用さをよく示した名品であり、また遠近法が文字通り作品に奥行きを與へてゐ . . . 本文を読む
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