幸ひ昼過ぎに今日の用件が片付いたので、折から雨がパラつきだしたこともあり、すぐ帰路につく。地元の驛に着くと、いつもなら閑散としてゐる時間帯のはずなのに、上りも下りもやたら人が多く流れてゐる。それらの風体は、ほとんどが勤労者のそれではない。沿線のどこかで、大規模な催しでもあるのだらうか。それにしても……。私はすっかり氣味が惡くなり、我が城へ逃げ込む。落ち着いてから、この「今までに経験したことのない」 . . . 本文を読む
茶番大運動會の付け火中繼走が今日から始まることを、今日知る。昨年、希國からタネ火を持って来た際は折からの強風で吹き消され、また随行した外務省の小役人が疫病感染といふ粗末なお土産を持ち帰った、あの因縁の火である。一年越しの中繼走について、感染防止のために事前告知せず、出走は當日の三十分前まで黙ってゐると云ふゲリラ的作戰が効を奏し、知らない人はけっこう多いらしい。……と云ふか、今さら知らなくてもよい咄 . . . 本文を読む