ラジオで、初春らしく寶生流の「高砂」を聴く。前半は「永遠の夫婦愛」、後半は「國の平和」を謳った、ニッポンの祝曲の代表たる世阿彌の名作──と能書きを垂れたところで、詞章の字句が私のやうな現代凡人にはムズカシすぎて、正直なところアタマにサッパリ入って来ない。しかし謠の節付けがサッパリしてゐるおかげで、音樂としてすんなり入ってくる。むしろこの曲を下敷きにした落語の「高砂や」が樂しめれば、それでよいと私は . . . 本文を読む
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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