先日に訃報を知らされたまだまだ若かった親類の幼少時に、私が撮った冩真があった筈と、實家の押入れから段ボール箱を引っ張り出して、「ああ、あった……」と久しぶりの對面を果たす。亡き人は、思ひ出してくれることを何より喜ぶと聞く。冩真は、そのよすがとなる。冩真のなかのまだ幼い親類は、華やかな場所で樂さうにしてゐる。冩真がその存在価値を高める瞬間。散歩した公園の、毎秋きれいに色付く紅葉が、今年もきれいに染ま . . . 本文を読む
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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