
英國女王エリザベス二世が、今月八日午後、九十六歳で永眠云々。
新英國王となった息子の、皇太子時分の“不始末”に端を發した元皇太子妃の事故死いらい、そんな息子の後妻問題、孫と女優崩れとの結婚騒動、そして親子ともども人災疫病に感染など、ニッポンでは醜聞ばかりが取り沙汰されたためか、私には「國民に近い王室」と云ふより、“世俗な王家”とその當主、と云った印象のはうが強い。

しかし英國民には親しまれた存在云々、“007”をパロディー化したローワン・アトキンソン主演のコメディ映画「ジョニー・イングリッシュ」で、女王陛下を揶揄した場面があるのも──私は素直に大笑いしたが──、さうした“親愛感”のひとつの表れなのだらう。

しかし英國民には親しまれた存在云々、“007”をパロディー化したローワン・アトキンソン主演のコメディ映画「ジョニー・イングリッシュ」で、女王陛下を揶揄した場面があるのも──私は素直に大笑いしたが──、さうした“親愛感”のひとつの表れなのだらう。
その女王陛下も感染した人災疫病の治療藥カプセルが、このたび米國の製藥會社より今月十六日から一般流通云々。

と云っても、街のドラッグストアで手軽に購入できる“市販”ではない。

と云っても、街のドラッグストアで手軽に購入できる“市販”ではない。
服用は十八歳以上で一日二回、五日間の服用で一日あたり1,8862圓。
その費用は國が負担し、感染者の財布に影響はないものの、やはりお世話にならぬに越したことはない。
なんら見通しが立たなかった疫病禍元年には、「ワクチンと治療藥の開發なくして本當の終熄なし」と何度も述べたものだが、その治療藥の一般流通化で、少しは終熄(おわり)が見えてきた、……と思ひたい。
がしかし、ヒトが先に「狎れ」と云ふ免疫を付けてしまったのは、なんとも皮肉である。