
国立能楽堂で、金春流の「枕慈童」を観る。
菊の葉に垂れた露を飲んだ少年が、そのままの姿で七百年も生き続けている、というお話し。
不老長寿は人間サマ永遠の願望でござる。
もっとも、見た目はシワクチャでも心は少年少女の日のまま、というご老体は事実、おわします。
すなわち、
「その年齢(とし)までナニ学んで生きてきたんだろ、このヒト……」
という種族ですな。
夜は国立能楽堂からほど近い渋谷区千駄ヶ谷の鳩森八幡神社で、神前奉納の薪能を観る。

奉納されたのは「経政」。
タイトルロールのシテは、謡いの声質からして役の年齢に近い“少年”がつとめたようだ。
そうなると不思議なもので、シテのかけた公達の風貌をうつした面が、常にはない妖しさを放ちはじめる。
微かにひらいた唇が、深紅の色をたたえていたのは、篝火の映ったものばかりでは、あるまい。
菊の葉に垂れた露を飲んだ少年が、そのままの姿で七百年も生き続けている、というお話し。
不老長寿は人間サマ永遠の願望でござる。
もっとも、見た目はシワクチャでも心は少年少女の日のまま、というご老体は事実、おわします。
すなわち、
「その年齢(とし)までナニ学んで生きてきたんだろ、このヒト……」
という種族ですな。
夜は国立能楽堂からほど近い渋谷区千駄ヶ谷の鳩森八幡神社で、神前奉納の薪能を観る。

奉納されたのは「経政」。
タイトルロールのシテは、謡いの声質からして役の年齢に近い“少年”がつとめたようだ。
そうなると不思議なもので、シテのかけた公達の風貌をうつした面が、常にはない妖しさを放ちはじめる。
微かにひらいた唇が、深紅の色をたたえていたのは、篝火の映ったものばかりでは、あるまい。