激太りの元凶と云はれるかの飲料より、その容器を自販機脇などに設置されてゐるゴミ箱の口へ突っ込んで塞ぐ、あの捨てかたに私は不快を覺える。
近頃はカップを片手に街中を歩く男女が当たり前のやうな光景になってゐるが、ニッポン人だといかにも異人の猿マネ然としてゐて、私にはいまだ可笑しいばかりで馴染めない。
どうせこの後でゴミ箱の口に突っ込んで、あとの人が捨てられなくてもお構ひ無しで行くのだらう──もちろん皆がさうでないにせよ、さういふ予測がつひ働く。
いつの頃やらん、駅のゴミ箱に空缶を捨てやうとしたところ、その前を行く月給鳥風の若い男が、手にしてゐる件の容器を案の定投入口へ突っ込んで行かうとして、うしろに私がいることに気が付き、そのまま離れて行った。
これなどはいくらかマシな部類だらう。
まうひとつ、現場作業員風の男がやはり件の容器を無理に押し込まうとしたところ、投入口の縁に蓋が引っ掛かって外れ、中身の飲み残しが男の靴へ瀧のごとくこぼれた瞬間を目撃したこともある。
気を利かせて奥まで押し込まうとして、却って裏目に出たといふことだが、目の敵にすべきはストローだけではないやうな……。