こりゃ来たな……! と思へる蒸し暑さに、昼からはカーテンで熱光を遮断し、城内の冷房効果を高めた上で手猿樂の勉強を續行す。
寶塚歌劇では四人の感染が確認されて、明日から十六日まで公演が中止云々。
同じく木挽町の芝居小屋でも、“舞台関係者”に發熱者が現れ出でたるにより、「吉野山」が本日は閉山云々。
いづれも、なるべくしてなる。
なってからでは遅い、の好例。
まさか、「その時はその時だ……!」と思ってゐたわけではあるまい。
秋以降、この状況下で藝術の季節に因んだ催しがいくつか企画されてゐるのを見るにつけ、主催者は“その時”の責任につひて熟考してゐるのかと気に掛かる。
私は、我が城での活動に徹する覺悟。
そして仕舞ったままになってゐる装束の一部を虫干ししながら、
また袖を通せる日は来るさ、と自らを励ます。