東海道線を走る185系特急電車が、そろそろ全廢になるやうだ。
現役の特急車両でありながら、まれに普通列車として運行されたことがこの185系の特異さであり、また私にとっては魅力だった。
白い車体の側面に緑の斜線をあしらった斬新な外観で衝撃的に登場した昭和時代、湘南地域に住んでゐた従兄の一家と大磯のプールへ行くため東海道線を驛で待ってゐると、夏の白い光に照らされた185系が「普通」の幕を掲げて入って来た光景は、いまも鮮明に憶えてゐる。
そして十數年前には、朝の時間帯の東京始發で一本だけ185系の“普通”が運行されており、東海道本線で関西方面への鐵道旅行を計画した際には、敢へてその時間に合はせたものだった。
もちろん、本領の特急「踊り子」としての185系にも、乗ったことがある。
いま特急「踊り子」は、中央本線から転属して来たブサイクな後輩(↓冩真左)に取って代はられつつある。
まだ“カメラ公害”が密集してゐない今のうちに、
185系の白と緑の輝きをよく記憶しておかう。