
終戰から七十七年となる。
數字が重なるにつれて、その日がどんどん歴史の一頁に埋没していくやうな氣がする。
焼け野原となった終戰後のトウキョウを闊歩する進駐米兵たちの冩真を見るたびに、私は腹の底から悔しさと怒りの綯ひ交ぜになった感情が噴き上げてくる。
その土地でかつて起きた悲劇を、その土地の人々は幾世代を經ても決して忘れないのは、口承以上にその情報が遺伝子のなかに組み込まれていくからではないか。
私が外國人に對してどうも氣持ちが閉鎖的になりがちなのは、私の先祖が外國人との間に、なにかあったからなのだらうか。