例の五輪総奉行の“失言”につひては、私のなかでは「老人またやらかしたな……」と、どこか笑ってゐられるものがある。

「傳統藝能なんて不要不急だ」と言ひ放ったとしても、まぁね……、と苦笑ひしてゐられるだらう。
しかし、件の與党幹事長だけは、云ふこと為すこと、いちいち癇が立つ。

人間に、まるで愛嬌を感じないからだらう。
貧乏人が俄かに大金持ちとなって調子に乗ってゐる──そんな薄さも見てとれる。
今は昔、まるで敬意を抱けない目上に遭遇した時とよく似た印象を、この人物からは受ける。
だが、
「人柄の重要さ」と云ふことにつひては、
この人物は良き師である。