「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        僕の「三丁目の夕日」の頃

2007-11-08 05:41:28 | Weblog
きのう拙ブログのコメンテーターChobimame.exblog.jpさんの勧めもあって 
老妻と一緒に話題の「always続三丁目の夕日」を観に行った。映画の時代
設定は昭和34年、世は皇太子(現在の天皇)のご成婚にあやかった”ミッチ
ー”ブームに湧き、フラフープが全盛期であった。デパートの5階の映画
舘には当時を知っている同年輩の年寄りもいたが、若い人も多かった。

その頃、僕たち夫婦は結婚4年、一児が誕生、両親と共に木造平屋建ての
家に住んでいた。まだ昔ながらに玄関が広く、廊下もあって小さいながらも
床の間もついていた。しかし、都内の区部なのに下水道は整備されておらず、
炊事は外のかまどでしていた。

映画は東京タワーの見える小さな商店街の住人たちの心暖かい隣人愛
を描いていた。僕らの住宅街とはシチュエーションは違うが、当時の人々
の暖かい心の通いは同じだった。お隣どうし季節の贈物はしていた。ご成
婚のパレードの時、わが家ではまだテレビがなく、隣家でみせてもらった。

当時の勤労者所得は月2万5247円だったが、安サラーリマンの僕はそれ
以下だった。しかし、僕の記憶の中にはよく酒を飲み、子育てと家計をきり
もりしていた老妻を苦しめたことが残っている。そんなある夜、僕は酔った
勢いで上野のモツ焼き屋で知り合った若者三人を連れて帰宅した。集団就
職で上京した若者で、就職先の主人と折が合わず無断で店を飛び出してきた
連中だった。僕は同情して三人を家に泊めたが、それがよかったかどうか。
僕の「三丁目の夕日」はそんな時代であった。