「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       家康も食べた健康食品

2007-11-25 05:29:36 | Weblog
徳川家康も食べたという健康食品「浜納豆」をご存知ですか?先日、僕は伊勢旅
行の帰途、久しぶりに原産地、浜名湖に近い地で見つけ買い求めた。別名「唐納
豆」「塩辛納豆」とも呼ばれる粘り気のない、糸を引かない納豆である。主として遠
州(静岡県)三か日地方で作られる大豆の発酵食品で、香煎(こうせん)や山椒の
皮などで味付けしてある伝統食品で、足利義勝以来、代々の将軍家に献上された
と伝えられている。

醗酵食品ブームである。最近の健康志向に後押しされて、スーパーの食品売場に
は代表格の各種の納豆をはじめインドネシアの国民食「テンペ」までならんでいる。
ところが「浜納豆」の姿がない。昔は東京でも手軽に食べられ、デパートでも販売さ
れていたのだが。それだけに旅で「浜納豆」を見つけた僕は、まるで”昔の恋人”に
再会したような気持ちだった。

「浜納豆」は京都では大徳寺納豆とも呼ばれ禅寺の保存食だという。くん(草かんむ
りの下に軍の字)酒、山門に入れずの”くん”は韮、ねぎ、ラッキョウなど匂いのする食
品のこと。納豆もはいる。従って匂いのない「浜納豆」が使用されていた。もともと遣
唐使が中国から持ち帰ったという説もある。そういえば、シンガポールで、これに似
た食品を食べたことがある。

確かに「浜納豆」はおいしい。おにぎりの”芯”にしたり、お茶づけにかけたりしたら食
がすすむ。酒のサカナにも好適である。問題は価格である。普通の納豆に比較して高
いことだ。製造に手間がかかっているので当然だが、庶民の日常の財布では買えない
のが残念だ。