「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        「赤福」のないお伊勢参り

2007-11-23 23:13:09 | Weblog
きょう23日は勤労感謝の日だが、戦前は「新嘗祭」(にいなめさい)という祝
日だった。天皇家のご先祖、天照大神を祀る伊勢神宮では、この日新穀に
感謝する五大祭日の一つがが行われる。僕ら夫婦は、この日たまたま内宮
に参拝した。残念ながら団体旅行なので、式は見られなかったが、前夜から
40名の神官が社に篭もり、古来の伝統にのっとった厳粛な式典だという。

”神々しい”という言葉ある(あった)、昨日今日と2日間、僕は2日間、外宮と
内宮を参拝、改めて両宮の"神々しい”雰囲気に触れた。忘れていた日本人
の心の故郷がここにはあった。

伊勢の街にはいたるところ「赤福」の看板である。市の中心部の電信柱には
「赤福」の看板が垂れ下がっている。それでいてどこの店もお詫びの紙が張
られ休業している。なんとも異様である。

われわれ団体の内宮のガイドは「赤福」とはライバルのお菓子屋さんの店員
さんであった。きちんとした説明だったが、説明の終わりには忘れずに店の名
前をPR,最後にお店へ案内した。それでも「赤福」騒動以後、伊勢での土産の
お菓子の売上げは落ちているようだ。

「新嘗祭」を”しんなめさい”といっている若い人がいた。当たり前である。「新嘗
祭」を知っている日本人は70歳以上の老人だけである。外宮をガイドした写真屋
さんは79歳、僕ら団体客に神道の礼拝の仕方「二礼二拍一礼」を懇切に教えて
くれた。若い世代の日本人は参拝の仕方さえ知らなくなってきた。