「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     「国立博物館」とホームレス 日本の矛盾

2007-11-17 05:49:58 | Weblog
きのう友人の勧めで上野の国立博物館で開催中の「大徳川展」を見に行った。
すでに入館者20万人を記録したそうだが、すごい人気である。満員でろくろく
観賞できない。東京徳川記念財団をはじめ名古屋、水戸、紀州御三家など所
蔵の300点をこす逸品を一堂に集めた催しだ。入館料1500円も決して高くは
ない。だが、人の頭ごしにゆっくり見られないのでは高い気もする。

人気の秘密は何なのか?平日なのに来館者は僕らみたいな有閑の老人だけ
ではない。結構、働き盛りの若い層もいる。休みが企業によって土日に限らず
平日にシフトされてきたのか、これは日本の新しい現象だ。それにしても一日
1万人を超すというのは最近の歴史ブームの証左であろう。

博物館の北側の庭園は、この時期一般に公開されている。もともと寛永寺の境
内だった土地だが、池を中心に5棟の茶室を配した庭造りは趣がある。博物館
の混雑とは反対に庭園への来訪者は少ない。池の周りには十数人がキャンパ
スに向かって絵筆を動かしていた。紅葉が始まりかけた庭園は一幅の絵になる。

博物館を出ると大勢の人が並んでいる。ちょうど昼時でホームレスの人たちが
給食を求めて行列している姿だ。博物館で徳川の豪華な展示品を見、庭園の自
然の美しさを堪能してきた僕には、その姿がなんともいわれなかった。文化国家
を享受する人たちと福祉国家に見捨てられた人たちとが同居する、この国の矛盾
である。国立博物館のモデルとされる大英博物館は入館料は無料、周囲にはホ
ームレスはいない。