「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        木枯しが吹かないお会式

2007-11-13 06:08:02 | Weblog
昨夕、近所の日蓮宗のお会式を見に行った。本山の池上本門寺に比べて1か
月遅れのお祭りである。昔、このあたりが村落だったころそのままに近隣在郷
の善男善女が、そろいの半纏で鉦と太鼓を叩き、万灯を引いて集まってくる。
駅前通りは交通規制されるほどの賑わいだ。光と音によるこの時期の風物詩
だが、昔と変わったものが一つある。気候である。

母がまだ健在だった頃、わが家では、お会式がくると炬燵を出すしきたりであった。
40年ほど前までは東京でも11月半ばになると、早ければ”木枯し一番”が吹き、街
路樹も散り始めたきた。ところが、年々歳々、地球温暖化の影響だろうか暖かくな
ってきている。とくに今年はここ、二、三日秋らしい気候が続いたこともあって、万灯
見物の観客にも厚着の人はいない。

けさ、早朝ラジオ体操に行ったが、会場の大學のキャンパス跡の銀杏並木もやっと
黄ばんできた。暗渠の上に植えられた桜並木も僅かに色づき散り始めてきた。環状
7号線(国道)から一本道を入った古民家の庭には柿がたわわに実っていた。
秋は確実に深まってきているのだがー。東京の紅葉は12月という予測だ。師走に
”紅葉狩り”というのもいま一つピンとこない。落葉の音とジングルベルの交響曲
では”ワビ”も”サビ”もない。