兵庫県尼崎市で起きた夫が妻を殺した事件は、日本の高齢者社会を象徴する事件
である。末期ガンの85歳の夫が、80歳の認知症の妻を手芸用のヒモで絞殺したとい
うのである。自分の死んだあと、看病する者もなく妻が残されるのは不憫だという理
由から手芸用のヒモで絞殺したものだという。なんとも痛ましい。80歳を越える夫婦
の年齢からみて、あの戦中戦後の苦しかった時代を生きてきた世代である。恐らく妻
が認知症になる前は手芸を楽しみながら、共に余生を楽しんでいた幸せな夫婦だっ
たに違いない。
埼玉県では先日、同じ大腸ガンの74歳の母親を屋外に放置していた47歳の息子が
「保護責任者遺棄致死」罪容疑で警察に捕まった。同世代の僕ら夫婦にとってはショ
ックである。厚労省の調査によると、昨年から実施された65歳以上の高齢者に対す
る「虐待法」に違反したケースが全国の市町村から1万件以上も報告があるという。
このうち一番多いのが被害者が母親、加害者が息子という事犯である。
厚労省の平成18年「日本人の簡易生命表」(平均寿命)によると、日本人の平均
寿命は女性が85・81歳、男性が79・00歳で、女性は連続22年世界一、男性はアイ
スランドについで世界第二である。僕の年齢だとあと10年、老妻になるとあと15年
も余命がある。本当に嬉しいことではあるが、一方では将来への不安もある。いつ
尼崎のような事態になるとも限らない。自身の健康により留意して平穏な一生を
送りたいものだ。
である。末期ガンの85歳の夫が、80歳の認知症の妻を手芸用のヒモで絞殺したとい
うのである。自分の死んだあと、看病する者もなく妻が残されるのは不憫だという理
由から手芸用のヒモで絞殺したものだという。なんとも痛ましい。80歳を越える夫婦
の年齢からみて、あの戦中戦後の苦しかった時代を生きてきた世代である。恐らく妻
が認知症になる前は手芸を楽しみながら、共に余生を楽しんでいた幸せな夫婦だっ
たに違いない。
埼玉県では先日、同じ大腸ガンの74歳の母親を屋外に放置していた47歳の息子が
「保護責任者遺棄致死」罪容疑で警察に捕まった。同世代の僕ら夫婦にとってはショ
ックである。厚労省の調査によると、昨年から実施された65歳以上の高齢者に対す
る「虐待法」に違反したケースが全国の市町村から1万件以上も報告があるという。
このうち一番多いのが被害者が母親、加害者が息子という事犯である。
厚労省の平成18年「日本人の簡易生命表」(平均寿命)によると、日本人の平均
寿命は女性が85・81歳、男性が79・00歳で、女性は連続22年世界一、男性はアイ
スランドについで世界第二である。僕の年齢だとあと10年、老妻になるとあと15年
も余命がある。本当に嬉しいことではあるが、一方では将来への不安もある。いつ
尼崎のような事態になるとも限らない。自身の健康により留意して平穏な一生を
送りたいものだ。