「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            ミカンの当たり年

2007-11-24 06:24:07 | Weblog
今年はミカンの当たり年である。昨日伊勢参りからの帰り道、東名を走ると
どこも静岡の急傾斜の山々にはミカンがたわわになっていた。ミカンもは表
年と裏年があって、隔年に豊作年がくるそうだ。われわれ庶民には有難い。
昨年とちがい今年はお正月にたっぷりミカンが食べられそうだ。

ミカンと言うと、なぜか僕らの年代は田道間守(たじまもり)の伝説を想い出
す。記紀に出てくる伝説上の人物だが、垂仁天皇のころ常世国(とこよのく
に)に不老長寿の橘を求めて渡り、10数年後、橘をゲットして帰国したが、天
皇はすでに崩御されたあとだった。田道間守は、天皇陵に橘を奉げ、自らも
命を絶った。これが日本にミカンが渡来した始まりだという。

「長崎のザボン売り」の歌で有名なザボンは17世紀に中国商人によってジャ
ヮからもたらされた。文旦(ボンタン)も同じ頃、ジャガタラから長崎に渡来し
たものだという。今、インドネシアではザボンのことを「バリ・ミカン」(jeruk
Bali)と呼んでいる。インドネシアのミカンは品種改良がされていないせいか、
ミカンはどれも、おいしくない。

日本では一般にミカンというと、温州ミカンをいうが、温州は中国逝江省の町
の名前だそうだが、いま原産地のミカンの味はどうなのだろうか。戦後の日本
の果物の品種改良技術の進歩はすばらしい。とくに今年は夏場の日照時間の
関係なのか甘くておいしい。ひねくれ者は時には昔のような酸っぱいミカンが
恋しくなる。