「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         日本人の「努力」と「根性」

2008-01-05 07:14:25 | Weblog
NHKの先日の調査によると、日本人の好きな言葉の中から「努力」とか「根性」
といった言葉がランク・ダウンしたそうだ。たまたま、その日の箱根駅伝で3大
学の選手が途中棄権し、タスキがつながらなかった。2人は脱水症、1人は足
の故障によるものだが、長い箱根駅伝の歴史でも3大學が途中棄権するのは
初めてのこと。やはり、これも「努力」「根性」のランク・ダウンと関係があるのだ
ろうかー。

また昔のことだが、戦争中通学していた中学(旧制)では、毎朝朝礼のとき校訓
七か条を合唱させられた。尊王愛国 恭謙敬愛 清廉潔白 至誠一貫 質実剛
健 反省謝恩 勤勉努力ー。子供でよく意味もわからずに大声でどなったが、な
ぜか「勤勉努力」は理解できた。”努力の前に難事なし”という言葉も暗記させら
れた。

日本語の「努力」とか「根性」とか「頑張り」といった言葉を正確に外国人に伝える
ことは難しい。多分日本人だけが持つ特性だからだろう。こういった言葉が日本
人にあまり好まれなくなったのは、高度経済成長期以降の社会では、達成感を体
験出来る場が少なくなったからだ、とものの本に書いてあった。別の本には「ガン
バリズム」を強制すると出社拒否や登校拒否の原因になると記してあった。

”艱難汝を玉にす”-と教育された僕らの世代には、なんとも情けない。どんなにス
ポーツ医学が進歩しても”根性”や”ガンバリズム”がなければ、北京五輪で日の丸
を揚げることは出来ない、と思うのだがー。