「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            理髪店と美容院

2008-01-18 06:04:34 | Weblog
インターネットのある統計によると、10代の男性82.3%、50代以上の51.8%が
理髪店で散髪しないとのこと。わが家でも娘婿、二人の孫とも美容院でカット
して貰っている。理由は値段にあるようだ。全国利用生活協同組合の調査に
よると、散髪、顔すり、洗髪合計の全国平均料金は3,600円、これに対して娘
婿が行く美容院のカット代は1,000円にすぎない。

僕はここ10年来、昔住んでいた町の馴染の床屋へ自転車で行っている。料金
は3,000円、東京では安いようだ。友人達の中には5,000円もする理髪店へ行
っている者もいる。老妻は”たいした毛もない老人には高すぎる。繁華街には
10分1,000円の店もある”と文句をいうが、僕は断固はねつけている。

僕の贔屓の床屋は昔の浮世床の風情がまだ残っている。主人は60代だが、な
かなの町の情報通だ。"○○スーパーが閉店、今日から3日間、閉店安売りセ
ール”とか"駅前にオープンしたラーメン屋のミニ・ラーメン550円は普通の店の
大盛なみ、野菜がたっぷりテンコ盛で、自家製の太麺だ”といった類だ。それに
多趣味で囲碁、将棋、競輪、競馬、客にあわせて話が出来る。

早速、老妻を連れ出してミニ・ラーメンを食べにいった。店の奥さんの勧めで妻
はミニを食べたが、僕は変に見栄を張って小ラーメンを食べた。店の売物の野
菜が富士山みたいに盛ってあって麺も普通の2倍はある。二人とも食糧難世代、
残しては悪いとやっと平らげた。3,000円支払った当世浮世床の効用であるが、
老妻はなんとも思っていないようだ。店の名前は東京工大近くの「婆娑羅」。