「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            IT時代の「常用漢字」を!

2008-01-15 07:16:59 | Weblog
「平成教育学院」というテレビ番組の”東大美女軍vs京大芸人のバトル”を見ていたら
東大美女軍の一人が推薦の「薦」の字を正しく書けなかった。「薦」の字は常用漢字
だが「すいせん」と読めても「薦」の字を書ける人は少ない。IT時代、変換で簡単に読
めても手紙などを書く機会が少なくなってきた、その影響だろう。

常用漢字(1945字)の改訂作業をしている「文部科学省文化審議会漢字小委員会」
(長い名前です!)が、阪、埼、熊、茨など都道府県名13字を常用漢字に入れるよう上
部組織の国語分科会に報告するように決めた。国語分科会は2010年までに新常用
漢字決める作業をしている。

戦後の「当用漢字表」に新しく95字が追加されて「常用漢字表}に改定されたのは昭
和56年10月、今から27年も前のことだ。以来四分の一世紀以上改定はなく、その間
漢字を取り巻く環境は急速に変化した。ワープロ、パソコンなどの情報機器の出現に
よって変換で簡単に難しい漢字が出てくる。一方、手書きで文書を作成する機会が減
っため易しい字さえ書けなくなった。

拉致の「拉」の字も常用漢字表にはない。北朝鮮の拉致問題が発覚するまで日本の
社会では「拉」は、日常必要のない漢字だったのだ。また、現在の常用漢字表の中に
は日常的に使う誰、宛、謎、髭、尻、箸、枕などの漢字、挨拶、喝采、僅差といった熟語
も漢字だけでは書けない。

新聞テレビなどのマスコミは常用漢字表をもとに用語懇談会で使用文字を決めている。
最近新聞によっては、常用漢字外の難解な漢字にルビをふって使っている。これが好
いのか悪いのか僕にはわからない。しかし、IT時代に入って常用漢字も漢字の使う頻
度も変わってきている。日本の文化、教育にも関係する問題だけに時代にそった改定
を望む。