「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         "開かずの踏切” 自民党の説得力

2008-01-22 07:41:49 | Weblog
開会中の国会の焦点は揮発油(ガソリン)税の暫定税率の維持か撤廃かにあるそ
うだ。民主党は今春の衆院解散に照準をあてて、ここを先途にと廃案に追い込もう
としているようにみえる。これに対し政府予算は必至に維持に努めているが、いま一
つ説得力がないし、パンチにかけている。

先日の新聞漫画に福田首相と小沢民主党代表が釣糸を垂れ、その先に福田首相
は”道路”、小沢代表は”ガソリン”の餌をつけている。本当はこんな簡単な構図で
はないのだが 原油高でガソリンや灯油が値上がりしている時だけにガソリンが1ℓ
25円も下がるとなれば、小沢代表の餌に食いついてしまう。民主党は「ガソリン値下
隊」を結成し「No more tax ¥20 off」のビラを配っているが、これも消費者には解かり
やすい。

前哨戦にかけていえば、政府与党の作戦は下手である。町村官房長官は先日の記
者でパネルを持ち出し、暫定税率維持の必要性を説き、一方で”おカネは天から降っ
てくるものではない”と民主党を非難した。撤廃後の財源を明確にしていないのだから
僕もその通りだと思う。

ところが、町村長官はじめ自民党が「ガソリン税」維持の必要性に出す「開かずの踏切」
の解消や学童道路の整備の例は理解できるが、25円値下げに比べて"生活者”には
訴求力不足である。

ガソリン税を廃止すれば”日本丸”は沈没しかねない、と僕は憂慮している。その必要
性を政府は、もっと具体的な一般的な例をひいて懇切に説明すべきである。野党も国
家的見地にたって党利党略に走るべきではない。一歩下がるのも政権奪取への戦略
のこともある。