「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         食糧安保とテンペ業者のスト

2008-01-23 07:03:22 | Weblog
健康食品として最近は日本のスーパーでも売っているインドネシアの大豆醗酵食品
テンペが移入大豆の高騰から製造業者が価格値下げを政府に要求してストに入り、
テンペがインドネシア人の食卓から消えたという。テンペは日本でいえば納豆や豆腐
以上にインドネシアでは庶民の食卓には欠かせない食品だ。

大東亜戦争中、今のインドネシアの地には延べ10数万人の日本軍兵士が駐屯してい
たが、現地語を学ぶのにこんな戯れ言葉が流行った。「人はおらん(orang)米はなし
(nasi)魚はいかん(ikan)菓子はくえ(kue)」

インドネシアはかってのオランダの植民地。農業は植民地農業でゴム、砂糖、油椰子
が優先され、米はなし(少なかった)の状態であった。当時の大豆の自給率は不明だ
が、今は約70%が外国輸入に頼っている。最近の小麦の国際価格の値上がりが零
細のテンペ業者を直撃したわけだ。

これは他人事ではない。日本の穀物自給率(重量ベース)は30%を割り込み、大豆だ
けとれば、インドネシアよりさらに低く5%である。幸い、今のところわが国への影響は
すくないが、株式市場の「サブプライム」でみるように国際化時代だ。僕らは戦中、戦後
のあのみじめな食糧難を体験している。テンペ問題を”他山の石”として食糧安保問題
について真剣に検討すべきである。全国各地の休耕田は国の荒廃を物語っているよう
にみえてならない。