「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          ブンガワン・ソロの洪水とODA

2008-01-06 07:15:40 | Weblog
          ▽ブンガワン・ソロ (作詞作曲 Gesanng )
             ブンガワン・ソロ これが君の歴史だ 昔から
             人々は君に関心を持っていた 乾期には水がなく
             やがて来る雨季には溢れるばかり 
             ソロの水源のまわりを 千余の山々が囲む
             川の流れは長々と海まで続いている 
             その舟は君の歴史 商人たちはいつもその舟に
             乗っている   (訳詩 加藤裕)

戦後、昭和20年代、藤山一郎や松田としが歌って大ヒットしたインドネシアの歌だ。
もともとは戦争中インドネシアに駐屯していた日本軍兵士の間で流行し、戦後同地
から復員した藤山一郎によって紹介されたものだ。内容は上記の訳詩のようにジャ
ワを流れるブンガワン・ソロ(ソロ河)を歌った叙事詩である。

ジャカルタで発行の日本語の新聞「じゃかるた新聞」によると、年末からの大雨で、こ
のソロ河が氾濫し、下流の地域で死者まで出す、大被害を出している。ソロ河は毎年
雨季になると慢性的に洪水に見舞われている。僕がインドネシアに常駐していた42
年前にも氾濫して日本から350万㌦の見舞金が贈られている。

今年は日本とインドネシア国交50年である。わが国のこの国へ供与した援助額は累
積では世界トップ。僕が滞在した頃に比べれば、ジャカルタ市街には高層ビルが林立
しているが、ほとんどはホテルか金持、外人用のマンションである。街は車の大洪水で、
ものすごい公害である。

日本のODA(政府開発援助)は、どうなっているのだろうかー。本当にこの国の発展
に寄与してきたのだろうかー。ODA援助は供与国の要請に基づき行われるのが原則
なのだそうだが、援助の先端で働いた僕の体験では、かなりの額が”要請”の名のもと
に不必要な”プロジェクト”に使われ、汚職役人の私腹を肥やしている。ODA関係者は
"援助”は、われわれ国民の税金であることをもう一度お忘れなく。