「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       "鳥インフルエンザ”の集団感染?

2008-08-09 05:32:13 | Weblog
ジャカルタのの日本語紙「じゃかるた新聞」の報道(8月8日)によると、北スマ
トラのアイル・バトウ村で13人が鳥インフルエンザに似た症状で、3人が死亡
した。もしこれが事実ならば、ヒト同士の感染の疑いもあり、対岸の火と簡単
に見逃すわけにはゆかない。インドネシアは、過去最大の鳥インフルエンザ発
生国で136人が感染し、111人が死亡している。

僕はインフルエンザの発生地がアイル・バトウ村だと知って驚いた。実は数年
前、この村に住む日系二世の双子の兄弟と文通したことがる。二人は戦争中
この村のアブラヤシ工場の技師をしていた日本人と現地の女性との間に生まれ
た。彼らは戦後日本に帰国した父親の消息を僕に依頼してきた。が、すでに九
州出身の父親は死亡し、遺族は兄弟との関係をもつことを断ってきた。

アイル・バトウは日本語で訳すと「岩清水」である。日本の技術協力で出来たアサ
ハン・アルミ工場の近くの山あいの村である。僕も1998年、メダンに滞在中なん
どか、この周辺を旅した。どこの村でも鶏が放し飼いにされ,エサを食いはんで
いた。これが住民の貴重な蛋白資源なのだ。

双子の日系家族は大丈夫だろうかー。戦争という運命にもて遊ばされた一家だ。
まず、集団感染が鳥インフルエンザでないことを祈っている。かりに不幸にも、そ
うであった場合には、贖罪の意味をかねて、出来る範囲の協力はしてやりたいも
のである。

           "この野郎”の記者たち

2008-08-08 05:39:10 | Weblog
札幌巡業中の大相撲の横綱、朝青龍がまたもや問題を起こした。朝稽古をさぼり
昼近くになって場所入りしたそうだ。みかねた巡業部長の大島親方(元大関旭国)
が注意したところ、それにハラを立て、取材の記者たちに”下がれ、何を考えてい
るんだ。この野郎”と八つ当たりした。天下の横綱の言動ではない。朝青龍は三月
大阪場所前でも記者会見を拒否し”死ね、この野郎”と暴言を吐いている。

江戸時代から明治42年まで、大相撲は両国の回向院で催されていた。それを記念
して境内には力士を祀る「力塚」が建っている、そして、その横には物故した先輩記
者の名前入りの碑もある。日本全国各地,各界いろんな記者倶楽部があるが、祈念
顕彰碑があるのはここだけだ。それだけ相撲記者倶楽部は格式ある伝統の倶楽部
なのだが、いつから”この野郎”になり下がってしまったのか。

相撲記者だけではない。最近テレビの報道番組をみていると、画面に出る記者たち
の必要以上な卑屈な態度と意味のない質問。政治家が答えないのが知りながら”ぶ
る下がって”する質問は、何のためか。テレビの演出のためと思うが、みっともない。

また”靖国の季節”がやってくる。そして、また無意味な”何故、靖国神社へ参拝したか、
しないのか”の質問が繰り返される。日本の国の本義を理解しない記者たちの馬鹿な
取材をみていれば、ヤクザ横綱から、この野郎”とコケにされても仕方がない。もっと
毅然たる態度で取材に当ってほしい。


        都会の豪雨事故、情報伝達に問題は?

2008-08-07 05:05:36 | Weblog
東京豊島区雑司が谷の下水道工事現場で5人もの作業員が死亡不明になった事故は
痛ましいかぎりだ。都会のど真ん中の下水道の中を鉄砲水が襲うなんて僕ら素人には
想定外だが、なんとか事前に防げなかったのか。新聞記事などによると、工事関係者間
の情報伝達に問題があったように僕にはみえるがー。

わが家の近くでも、もう一か月以上、共同溝の工事が続いている。公共工事だが、近隣
住民は道路が閉鎖されて困っている。なんとはなく観察してみると、現場には○○,△△、
□□と大手ゼネコンの共同工事名の看板が出ているが、実際に現場で働いているのは
その下請けか孫受けの会社の人たちだ。

今回の雑司が谷の事故も工事は都が大手ゼネコンに発注し、実際の工事は下請け孫受
の会社がやっていた。東京都には下水道工事に関するマニュアルがあり、恐らく大手ゼネ
コンには伝達されていたと思う。マニュアルには豪雨のさいの対応も書いてあった筈だ。
大雨注意報が出た場合には直ちに工事を中止せよというのもあったという報道もある。が、
果たして、そのマニュアルがマニュアルどおりに直ちに現場に伝達されたのだろうか?

建設工事については、まったくの門外漢だが、素人目には契約形態が旧態依然のようにう
つる。これが発注元の官公庁との間の癒着を生む原因になっているのではないか。拡大
解釈すると、これが今回の大事故を生む間接の原因にもなっている。

       シーファー駐日米大使の原爆暴言

2008-08-06 05:09:17 | Weblog
シーファー駐日米大使が先日、九州の宗像市で開かれた「日本の次世代リーダー
養成塾」(日本経団連主催)の席上、原爆投下について”戦争終結を早めるために
必要だった」と発言した(西日本新聞社)。発言の背景その他はっきりしない点もあ
るが、かって大使は慰安婦問題について”強制売春”だと批判したこともあり、日本
の近代史について勉強不足で偏見の持主だ。

欧米の雑誌新聞を読んでいると、シーファー大使と同じような原爆観が最近めだつ
ようになってきた。オランダの国立戦争資料館が発行している文書にも、在米の日
系学者(女性)が”日本人は原爆被害者意識だけで、原爆投下によって数千万人の
人命が救われた事実を認識していない」という暴言を書いている。どうも欧米の教育
では、このような原爆観が主流なのかもしれない。シーファー大使は、これを日本の
若者にも広めようとしている伝道師だ。

きょう6日は63年目の広島原爆忌である。被爆者の平均年齢は75歳と高齢化してき
ている。原爆体験者が少なくなってきている。数日前NHKラジオの「深夜便」で被爆の
語り部の方の話を聞いた。改めてなまなましい体験を聞き、核兵器絶滅を目標とする
わが国の平和運動の必要性を認識した。今年の記念忌には世界の55か国の代表が
参席、中国らも在神戸総領事が、五輪を意識してか初めて顔を出した。顔を出すだけ
まだ好い。26万人の無辜の市民を一瞬にして殺害した,当の米国は式に参席するど
ころか謝罪も反省もなく。逆に国際法に反する自己の行為を正当化しようとしている。

10数年前のことだ。社会党の村山富市首相と土井たか子衆議院議長がそれぞれ現職
時にシンガポールの華僑慰霊塔に参拝、献花した。歴代の米国の大統領が広島、長崎
を訪れた記憶はない。訪問できないのには彼らにまだ罪の一片があるのかもしれない。

            関心のない北京五輪

2008-08-05 05:17:48 | Weblog
3日後に迫った北京五輪だが、馬齢を重ねたせいか、あまり関心がわかない。1964年
の東京五輪は無論だが、戦後日本が初めて参加した1952年のロンドン大会から前回の
アテネ大会までこんな経験はない、576人もの大代表団を送り込み隣国での開催だとい
うのにおかしい。どうしたことなのだろうかー。

物事に関心が薄くなった老人だけの特異現象かと思ったら、若い人も意外に覚めている。
五輪を前にウイグル新疆自治区で暴動が起きたりすると、果たして無事に開催できるのか
ーその方面への関心はあるが、スポーツそのもへの関心は薄いようだ。

もう一つ無関心な原因は、日本人の中国嫌いが影響しているかもしれない。新華社通信
発行の「瞭望東方週刊」が7月に日中関係の評価について面接調査したところ"好い”と
答えた日本人は36%、逆に"悪い”と答えたのが半分以上、57%もあった。この5月に胡錦
涛主席が来日し、福田総理との間に「戦略的関係の包括的推進」を両国間で謳いあげた
のにもかかわらずである。

国民の反応は正直だ。いくら首脳が友好を言っても、毒入りギョーザが未解決、チベット暴
動に続く長野の聖火リレーの無礼さ、また大気汚染のすさまじさを知っては、あえて”火中
に栗を拾い”に旅行はしないだろう。旅行各社の調査では、この夏休みの中国各地への
旅行は前年比36%減だという。普通なら五輪があれば、人気が上がるものなのだが。


       「おそ松くん」の死と「ときわ荘」の時代

2008-08-04 05:42:04 | Weblog
漫画にうとい僕でも名前を知っている「おそ松くん」の作者、赤塚不二夫さんが
亡くなった。まだ72歳の若さである。彼の作品に影響を与えたという手塚治虫
さんは、もっと若く61歳でこの世を去っている。調べてみると、僕と一緒に酒を
飲んだことがある「かっぱ天国」の清水昆(山冠に昆)さんも62歳、テレビで一
緒に仕事をしたおおば比呂司さんも66歳、みんな若くしてなくなっている。それ
だけ漫画家という仕事は厳しいのだろう。

赤塚不二夫さんは若い時、豊島区椎名町(当時)のアパートに住んでいた。昭和
28年に出来た木造二階建てで四畳半一間の家賃が3千円だったという。赤塚さん
は、このアパートで仲間の若い漫画家たちと梁山泊のような生活をしていた。師
の手塚治虫さんもここに住んでいた。その時代、僕の友人の家にも関西出身の漫
画集団の若い漫画家が居候同然の生活をしていた。僕は彼らが溜まりにしていた
渋谷の屋台でよく安酒を飲んだ。今モアイ像がある南口広場で、当時飲み屋の屋
台が夜通し店を出していた。

そんな関係でなんとなく無名だった赤塚不二夫さんの「ときわ荘」時代の生活がわか
るような気がする。テレビのアニメが人気になる前は漫画家の生活は苦しかった。
地方の新聞に漫画を連載していた、飲み仲間のKさんは中央で目が出ず、深酒に溺
れて身をくずしてしまった。

今でもわが家の近くには「ときわ荘」時代の木賃アパートが残っている。昔は作家や
若い俳優が住んでいた文化的なアパートだったが、今は出稼ぎにきた外国人が集団
で住んでいる。時代の移りを感じる。

         あいまいな自転車交通法規

2008-08-03 05:04:55 | Weblog
近くに住む昔の会社の同僚から電話があった。彼は先年伴侶に先立たれ、昨年は
長男にも先に逝かれてしまった。その不幸を先見するように在家のまま仏門に入っ
ている。暫らく消息がなかったので心配していたら、自転車で転倒、三週間も入院し
ていたのだという。

僕も毎日のように近くの環状7号線を通ってスーパーへ買物に行く。彼の事故を聞い
て他人事ではない。気をつけなくてはとと思っていた矢先,昨日の新聞に同じ環7で
自転車同士の衝突事故で57歳の女性が死亡したと報じていた。現場は僕の行くスー
パーから10キロほど離れているが、交差点のシチュエーションは似ている。

犠牲者の女性が交差点を横断しようとしたところ、21歳の男子大学生の乗った自転
車が車道を時速30キロで突っ込んできて衝突したらしい。僕も同じような体験をした
ことがある。僕は転ばなかったが、前の荷台に載せていた野菜を道路一杯にばらま
いてしまったことがある。

自転車専用道路のない都会では、自転車は車道を走るのか歩道を走るのかはっきり
しない。環7のような交通量の多い道路は、とても恐くて車道は走れない。制服のお巡
りさんも歩道を通っているからOKなのだろうが通行許可の標識はない。逆に自転車は
車道を通ってはいけないという標識もない。

命あってのモノダネだ。僕は歩道を通る時も対向車がくれば一時停車をする。ケータイ
の若者や子供を二人乗せたお母さんの場合は、乗ったままでは恐い。昔”狭い日本、
そんなに急いでどこへ行く”という標語があったがー。ゆっくり生きましょう。


        ”前期高齢者” ”世襲政治家”内閣

2008-08-02 05:19:54 | Weblog
福田改造内閣がスタートする。その門出に当り、お手前も拝見せぬうちにちゃかして
申し訳ないが、僕の印象では”前期高齢者””世襲政治家”内閣である。総理をいれて
18閣僚の平均年齢は62歳である。一般社会ではまだ60歳定年の企業が多いという
のに現場(社会)の空気が読み取れるだろうかー。

与党自民党の三役の顔ぶれが、まず発表になって驚いた。幹事長の麻生太郎氏が68
歳、総務会長,保利耕輔氏74歳、政調会長、笹川尭氏73歳と、麻生氏を除けば”後期”
に近いお年寄り。さらにもう一つの驚きは三人がそろって”世襲”議員である。

閣僚の顔ぶれも大同小異だ。福田総理の72歳を筆頭に18人のうち12人が60歳以上。
ギネスブックに載りそうな世界でも珍しい高齢者内閣である。平均寿命が女性85・99歳
(世界一)男性79・19歳(同三位)の国だから当然といえば当然だが。

”世襲”議員の多さもギネスものだろう。これも福田総理から始まって高村正彦(外務)
町村信孝(官房長官)増田寛也(総務)保岡興二(法務)林芳正(防衛)林幹雄(国家公安)
二階俊博(経済産業)大田誠一(農水)野田聖子(消費者行政)谷垣禎一(国土交通)と、
18人中11人もいる。

先日、民主党の岡田克也副代表がこんなことを言っていた。「自民党の”死に至る”
病は国会議員に世襲議員が多いことだ。活力がない。人材細りだ」。福田改造内閣
の顔ぶれをみて、僕はこの岡田議員の言葉を思出した。「安心実現」内閣はもとより
望むところだが、すべて事なかれ主義では進歩はない。日本で今いちばん足りないの
は活力である。

     拉致、竹島 どうなっているのか日本の外交

2008-08-01 05:38:41 | Weblog
拉致被害者の家族会などが一昨日、北朝鮮に対する制裁解除を解除を止めろと新潟
市内で抗議集会を開いたーと"申し訳ない”程度の小さな記事が新聞に載っていた。
拉致問題は家族会だけの問題ではない。国家と国民あげての重要問題だ。それがい
つのまにか政府の無策のため"風化"現象を起こし始めている。今回の一連の竹島を
めぐる韓国の暴挙といい、この国の"外交”は機能しているのだろうか?

米国の安全保障会議が、同国の地名委員会がくだした”竹島は主権未定”という判断
を、韓国の抗議にあって覆し”韓国領だ”と判定した。小ブログがなんども指摘している
ように竹島は島根県隠岐の島に所属する日本固有の領土である。それなに韓国の首
相が土足で島に上がりこみ,領海で公開の軍事演習をやっても黙り込み”韓国の独り
相撲”(防衛省高官)と傍観している。僕はいたずらに事を構えろと言っているのではない。

自民党の伊吹幹事長は”竹島問題は国際司法裁判所に任せよ”といっている。国際司法
当局に提訴せよ、という意見はもう長い間聞いているが、いっこうに行動に出ない。将来
この国にその意思があるのなら、今回の米国安全保障会議の”韓国領”承認は国際認
識運動に弾みをつけ国際法廷での審理の際不利になると思うのだが、これについてさえ、
”事なかれ”主義の福田政権は”静観”している。

福田総理は政権発足時、自分の総理就任期限内に拉致問題を解決すると公言していた。
が、米国によるテロ国家解除と引き換えに「北」が約束した被害者再調査はまったく進んで
いない。一見蜜月にみえた韓国との関係もご覧の通りである。対中関係だって同じことだ。
”毒いり餃子問題”をウヤムヤにし、長野での聖火リレーの暴挙を黙認してまで中国友好を
謳いあげているが、こんな”事なかれ”弱腰外交では、相手は足元をみている。

人が嫌がることでも、言うべきことは言うべきだ。その場つくりの外交は外交ではない。