バンビ・わーるど

プラダー・ウィリー症候群の息子「バンビ」を愛し、その成長を見守る母・suzuのつれづれ日記(&ときどき猫だより)

親として 闇の告白

2018年01月21日 | 問題行動
年齢が近いPWS児のママ達と話をしていると
うーん、やっぱり小学校高学年くらいから なんだかんだやらかし始めるみたいだなあ...。

って、あんまり書いちゃうと 小さい子のパパママには引かれてしまうかもしれないけど。

でも、まぁ 思春期って、定型発達の子でもいろいろもやもやしてて、親は扱いに困るもので
自分のこと振り返っても わけもなく親に反抗したり、なんかとんがってたなぁ って思うもん。

だから、まぁ 誰もが通る道っちゃ そうなんだけどね。


でも、PWSの子は やっぱり独特のものがあるな っていうのは、15年近く付き合ってみての感想。

これはPWSに限らず、ダウン症でも発達障害でもそうなんだろうけど
その子の特性をよく知って、理解した上で
その子に合った対処をしていくしかないと思うんだよねぇ。

それによって 子どものツラさや苦しみを少しでも軽減してあげないと
親も一緒にどんどんツラくなって、負のスパイラルにはまってしまう。


例えば、バンビの場合は
(これはあくまでバンビ個人の場合であって、PWS全員にあてはまることではないのだけど)

自分がうまくできなかったこと、しくじったことがあったり、それによって注意されたりした時に
ちょっとした悪さで 憂さ晴らしをする みたいなことがよくあるんだよね。

家でだったら、猫にちょっと嫌がらせするとか
学校でだったら、気に入らない友達のことを押したり、ものを隠してみたり...。

猫に意地悪したい とか、その友達を困らせたい ってことが目的じゃなくて
ほんとにむしゃくしゃ、もやもやした気持ちの八つ当たりみたいなカンジ。

そういうのって、みつかれば当然注意されるわけだけど。


次がまたバンビの特性で 刺激に対して固まってしまう。
特に叱られるとかのネガティブな刺激に対して、フリーズする。

そのフリーズしている間に 頭の中ですごくいろいろ考えているわけ。
で、なぜか認識が変換されていくんだよね。
まずい状況だ、どうしよう?→怒られたくない、恐い→僕が悪いんじゃない→お母さんが悪いんだ!

そこで相手への攻撃のスイッチが入る。叩いたり、蹴ったり...。
前にも書いたけど、私だけじゃなく、デイの支援員さんや学校の先生に対しても。

怒りのコントロールができない。
普段は穏やかでおとなしい子だけど、沸点に到達した時の激しさ。


バンビの課題はいろいろあるけど、今 私がいちばん困っているのはこの問題かな。
何しろ 学校とかだと 人に迷惑かけるしね。
ただ、長時間続くパニックではないので、静かな環境で例えば座らせるとか
違う部屋に離れてカームダウンさせると すぐに落ち着いて話ができる状況にはなるんだけどね。



うちは幸い食に関するトラブルはないけど
行動範囲が広がり、一人になる時間があり、お金を持っていたりすると
買って食べてしまう という話も聞くし
人に依存心が強いから、特定の人に執着してしまう等の対人トラブルも出てきたり。

なんでこんなことするの? って思うようなことをやるようになる。
でも、きっと バンビの憂さ晴らしみたいに、本人なりには理由があるんだよね。
例えそれが周りには理解しがたいものであっても。


これは、叱りつけて治る類のものではなくて
障害ってそういうことだよね。

わかっていて、私も怒鳴りつけたり、時には感情が止められずに叩いてしまったり
私こそアンガーコントロールができてないじゃん って思うんだけど...
バンビが小学校高学年から、やっぱり私もホルモンの状態からかイライラが続いて
バンビを許せない時があって。

我慢して、握り拳握りしめて
それでも我慢できなくて、叩いてしまったり
子どもを叩く後ろめたさに自分で動揺して
代わりに机叩いたり、もの投げたりしてしまって バンビを怖がらせたり...
エスカレートして虐待しそうな自分が恐くなった。

叩かれたバンビは 叩かれたことに逆上して
”ぎゃー、痛いー、お母さんはひどいー!”って、大泣きしながら私を叩き返してきたっけ。


今はもう落ち着いているけど、でも あの一時期は本当に苦しかった。
闇が深かった。

私が一度も子どもを叩いたことがない親であれば
今 バンビも人を叩くようなことはしなかったんじゃないか...
そういう苦い後悔も胸をよぎる。
本当に過去に戻ってやり直したい気持ちだけど、戻ってもきっと同じことしそうな気もする...


でも、あの闇から抜け出して、今 曲がりなりにもバンビと親子関係成り立っているのは
ただただ 諦めなかったからだと思う。

バンビのやることには バンビなりに理由があるのだ と思って
だから その理由を汲んでやろう。
この子にふさわしい対応をしてあげよう。
それができるのはまず親である私だ。 
その気持ちだけ捨てずに ここまで来た。

もちろん、悪いことは悪い。
やってはいけないことはやってはいけない。
でも、悪いことをしてしまうその彼なりの理由を思い図ってあげられるようでありたい。
その上で悪いことをしなくてすむように、してあげられたらいいのだけど...。

親であることは嬉しい、親であることは苦しい、親であることは楽しい、親であることはせつない。
想いは廻る、ずっとずっと 私が親である限り...

メールはこちらまで → yakkoxhs@gmail.com

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 骨密度と性ホルモン療法の話 | トップ | 雪の朝 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

問題行動」カテゴリの最新記事