
栗原類著
KADOKAWA出版 1.200円(税別)
お勧めの本を紹介します。
2015年にテレビの生放送で、自らが発達障害と診断されたことを告白した栗原類さん。
テレビを見ていた発達障害で苦しむ多くの人々から
「告白してくれて、ありがとう」という声がたくさん寄せられたそうです。
又吉直樹さんとの対談も写真付きで、穏やかさと純粋さがマッチしていて、素敵です。

本の中から一部抜粋して、ご紹介します。
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僕は発達障害の1つADD(注意欠陥障害)です。
8歳の時、当時在住していたNYCの教育委員会で認定されました。
そんな僕が、なぜ、ADHDの特徴である、蕭道成やコミニケーション障害を克服し、なぜ、モデル、タレント、役者という「自分が輝ける場所」を見つけて進んで来れたのか。
たまたま僕の容姿が良かったから、ラッキーだったから、と思われる方もいるでしょう。
(中略)
しかし、NYで小学校1年の時に留年したり、日本での中学時代に登校拒否になったり、高校受験に失敗したりと言う紆余曲折を経ながらも、障害に向き合い進んで来れたのは、早期の診断や、母の教育方針、主治医との出会い、葛藤を通じて僕自身が学んだことなど、様々な理由がありました。
発達障害、脳のクセです。
人によって障害内容は異なりますが、早期に気がつき、環境整え、正しく対処すれば、ある程度の訓練で変えることができます。
できないことができるようになるという事は難しくても、生きづらさは解消できます。
他の人より時間がかかるかもしれませんが、長い間に少しずつできることを増やせます。
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この本で学べきことがたくさんあります。
特に、お母さんが、専門家に助けを求めた点。
専門家が適切にアドバイスした点。
それを実行したお母さんとご本人。
発達障害は、脳の癖で、長所があるし、苦手があるということ。
この本を読んで、改めて、自分にも長所、短所があることを認識します。
発達障害でなくても、人と違った所は、誰しもあります。
それを排除したり、
苦手を無理に矯正しようとするのではなくて、
長所を伸ばすことが大切です。
苦手で生きづらい所は、生きづらさを減らす方法を専門家と共に見つけて行くこと。
そして、長所も短所もある子どもや自分でもをまるまる受け容れること。
「これで十分だ」と。