今村明美さんからお贈り頂いた。
彼女の三冊目の歌集です。
その「あとがき」を先ずお読みください。
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淡々と書かれています。
実は彼女、わたしの従姉妹です。
彼女の若き日の苦労を遠くにいながらもある程度知っております。
で、彼女は短歌に救われてきたと思えるのです。
今、彼女は、このあとがきにもある歌「おはようのおからほどけて君のそば満ち足りてゐる今朝の温もり」のような心境を得るに至りました。
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彼女の歌は写生歌とでもいうのでしょうか、実に情景描写が優れていると思います。情景描写といいながらも、そばに人の気配を感じさせているのは言うまでもありません。
それが短歌の本道でもあるのでしょう。というわたしは短歌は門外漢で評論の資格はないのですが、素人の強みで勝手に解釈します。
で、わたしは本道というよりも少し変化球のかかった歌が好きなのです。
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以下、わたしが好きな歌を上げます。
「完」と言ふ文字の記されしその先の余白が気になる 雷(いかづち)が鳴る
猫車を立て掛けられて眠りより覚めたる欅が欠伸をひとつ
君がため使い果たしし情熱はぶらんこの下の窪みにも似て
耳飾りの片方だけを付けおれば身の重心はそちらに傾く
賞味期限をややに過ぎたる絹漉しの豆腐は私の心にも似る
持ち時間のすり減りてゆくこの頃は胡坐をかきてかぼちゃになりぬ
洗濯をするたび思ふ生きてきて洗ひながせぬ悲しみあるを
仰向けに横に寝姿かへゐても深爪の指は疼き続ける
「以下同文」そんな感じで過ごす夜半 あなたの傍へ横座りして
あぢさゐがほのかに紅を刷く辺りわたしの過去が甦りくる
目を逸らす人に気付かぬふりをしてこでまり揺るる角を曲がりぬ
どうでしょうか?面白いと思いませんか。しかし、単に面白いのではなく、人間の哀しみを微かに感じさせながらユーモアが漂っていると思うのです。
ほかにもこの本にはびっしりと佳篇が並んでいますが、もう一つ興味深かった歌。
冬の夜は心ゆくまで雪見さけしんしんとろり光源氏と
これ読んで思い出したのが富田砕花翁の
しんとろりこはくのいろの滴りの澄めば澄むもの音のかそけく
でした。
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この際、彼女、今村明美さんのことをもう少し語っておきましょう。
実は今、彼女は猛烈に忙しい人なのです。
但馬の竹田城のガイドをしておられるのです。竹田城はいまブームになっており大変な状況です。バスで押し掛ける観光客を毎日一度ならず案内しておられます。
彼女はまだ今のようになる前、ガイドのための講習を受け、成績優秀で即座に現場に出され、あっという間に人気者になり、今ではお客さまから礼状を頂かれるまでに。
それだけではありません。
ガイドがない冬の間は、マジックの演者として各地の老人会などに駆り出されておられます。プロ並みなのです。但馬の芸人です。
もっとあります。
水泳を始めたのもここ2,3年前。それまで金づちだったのが今ではいくらでも泳げるほどに。
努力の人でもあります。
まだあります。
水墨画も習っておられて最近は上達してこられました。
ああそうだ。太極拳、コーラスなどもやっておられるのだ。
とにかくスーパーレディーではあります。
スーパーな 方ですね
素晴らしいです
本当にスゴイ人なのです。
上には書かなかったですけど、料理も上手なのですよ。
家庭もちゃんと守っておられるのです。
さまざまな分野の人が・・・
と言うことはakaruさんはそれほどお顔が広いということですね。
一度その人に出会ってみたいです。(笑)
この方、「火曜日」のnatunoumiさんのファンでもありますよ。