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うじきさんとドクター竹谷が
乗鞍でプライベート特訓をすることになり
他の出演者やスタッフもご一緒にどうですか、という運びになった
編集中で時間はないが 行きたい…
となると スタッフ全員を巻き込んで
「みんなで行くぜ!」的な流れにしてしまえば
仕事が終わってない件をうやむやにできる(笑)
というわけで 出演者は朝比奈さん以外の全員と
スタッフも数名が参加の乗鞍合宿となった
もちろん撮影はしないので あくまでプライベート扱いで
集合場所は乗鞍観光センター
ヒルクライムのスタート地点
平日なのに 多くの方が走りにいらしていた
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張り切るうじきさん
速さは求めていないけど 自分なりに頑張らないと気が済まない
そんなオーラが出まくっている
13時ちょうど 全員でスタート
猪野っちとドクター竹谷が先頭で
そのあと うじきさん マリンちゃん ふるやさん
スタッフ軍団と続く
私は1本目からタイムトライアル
体力がないので 2本目は絶対にタイムが出ないからだ
スタート後 まずは250Wをキープ
30mほど前方に猪野っち&ドクター竹谷がいる
早くあそこにくっついて ドクターの着き位置で楽させてもらいたい…が
なかなか近づけない
ペースが同じなのにパックで走れないのは損なので
265Wにあげて追いつこうとする
じわじわと2人の背中が近づいてくる
三本滝を過ぎたところで ようやく捕まえる
まずは猪野っちの後ろにへばりつく
「やっと追いついた! ちょっと後ろで休ませて」
「いいよ〜」と猪野っちが答えるが
ちょっと息が切れて辛そう?
ああ〜人の後ろって楽だ 245Wで休ませてもらう
…と思ったら 猪野っちが着き切れしやがった(笑)
ドクター竹谷の背中が遠ざかってゆく
「ドクターにもうちょっと着いていこう!」
私が前に出て ドクターと猪野っちの間を埋める
ドクターが後ろを気にしてチラチラ見るので
「これはどういうペースですか?」と聞くと
「4倍ちょっと」という
「4倍」とは 体重の4倍のパワーで上っているということで
坂を上る時の大切な指標である「パワーウエイトレシオ」のこと
これは体重1kgあたり何ワットで漕いでいるかを表したもので
300Wの場合 体重60kgだと 5.0W/kg
体重80kgだと 3.75W/kg
となる
坂道でこの数値が同じだと だいたい同じペースになる
ドクターが「4倍」と言ったのは
4.0w/kgで走っているということ
猪野っちは体重57kgだから228W
ドクターは体重65kgだから260W
これで走ればペースはほぼ同じ
つまりドクターは猪野っちのペーサーをして前を引き
アシストをしてくれていたのだ
しかし…
8km地点で振り向くと
猪野っちははるか後方に居なくなっていた…
ドクターも後ろを振り向き
猪野っちがいないことに気づいたらしい
一瞬 猪野っちを待つかどうか逡巡したように見えたが
私がいたのでペースを維持することにしたようだ
ここからドクターとの2人旅
着き位置の私が250Wほどなので
ドクターは270W以上は出ていると思う
全くブレることなく 同じ動きを淡々と繰り返している
これがドクターのすごさだ
同じ動きを続けるというのは 相当な鍛錬の賜物で
かなり難しいのだ
10km地点 スキー場を過ぎたカーブの連続区間
ヘアピンカーブで ドクターがわずかにパワーを上げた
もともと域値で走っている私は その20Wアップがキツイ
次のヘアピンでも ドクターがわずかにパワーを上げる
ドクター!
この20Wアップがキツイんだってば!
と 心の中で叫ぶ(笑)
そして4つ目のヘアピンで このままではオールアウトしてしまうと判断
「ドクター! ありがとうございました! ここで千切れます!」
するとドクターは「おや?」という具合に振り向いて
「はーい」とのんびりお返事してくれた
息が荒れている様子は微塵もなかった…
ドクターのヘアピンのせいで(笑) 危うくオールアウトしそうだったので
しばらく220Wで安静に 体力回復を図る
位が原 52分
…ありゃ?
去年のレースでは 確かここからゴールまで20分だった
これでは自己ベストと変わらないぞ
どんなに悪くても1時間10分で走れると思って来たのに
しかしこれでは自己ベストすら危ういペースだ
ゴールが見えてくる
ドクターはもうゴールしただろうか
森林限界を超えたところで200Wを下回らないように踏ん張る
4号カーブを過ぎる
まだ結構雪が残っていて 雪山特訓をしている人たちがいる
ゴールまであと500m
キツい
おや ドクターが降りてきた
あと300m
なんとか自己ベスト以下というのは免れたい!
ドクターが後ろを走っている気がするが
苦し過ぎてよく分からない
とにかく腕と肩を脱力して踏ん張る
苦しい!
やめたい!
「ダメでしたー」とか言って
楽したい
でも後悔したくない!
先を見る…ゴールまであと数十メートル
ダンシング!
タイムは1時間14分13秒
自己ベストの1分落ち…
ゴールしたあと 苦し過ぎて10分ぐらいあえいでいた
ドクターがやってきて「ナイスランでした」と手を差し伸べてくれた
「せっかく後ろに着かせてもらったのに ベスト出ませんでした」と答えた
あとでドクターが 動画を見せてくれた
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ゴール前 一緒に走ってくれているのかと思ったら
私のことを撮ってくれていたのだ
※ここに動画はアップできないため
キャプチャ画像でお楽しみください
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かかとが下がり始めるのが12時ちょい過ぎぐらいだった
そんなにペダリングは悪くないみたい
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かかとが下がる動きは4時ぐらいで終わって
下死点ではかかとが下がっていない
踏み込み過ぎたりは していないようだ
五郎監督にダメを出されたおかげです
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ダンシングの時に 腰がクニャクニャ動くのも
だいぶ少なくなっていた
自己ベストは出なかったけど
ドクター竹谷に初めて走りを見てもらえた
「追い込み、前のり、ダンシング、素晴らしい走りでした!」と言ってくれた
まあダメではなかったのだと思う
もっと頑張ろう
乗鞍1時間の文平くんに「ダメだった」と送ったら
「きっと次登る時はタイム縮んでますよ」と答えてくれた
涙が出た
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頂上付近で 後から来るメンバーたちを待っていたら
どうにも体調がおかしい
悪寒がし始めた
手を見ると…真っ黒…
これはどこかで見たことあるぞ…
そう ペルーのアンデス越えの時
標高4000mで高山病になった時の色だ
私の顔を見たスタッフが「真っ黒ですよ」と
体内酸素が低くなると皮膚が真っ黒になる
ゴールで追い込み過ぎたようだ
これはやばい
放っておくとマズいことになる
うじきさんたちが来ていないが すぐに下山準備
高山病は とにかく酸素が濃いところまで降りるのが第一
降り始めたら うじきさんとすれ違う
「高山病になりかけてるので先に降ります!」と伝える
降っていると 頭がぼーっとして眠くなって来る
休みたい バイクを降りて眠りたい
でもそんなことしたらここで仏になっちまう
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ぼーっと遠ざかっていく意識を奮い立たせて
なんとか下山
スタート地点の観光センターに着いたらなんとか落ち着き
駐車場の端っこで みんなが降りて来るまで寝ていた
おかわりは自粛し おとなしく宿へ…
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宿に泊まり みんなで食事
これまでのいろんなロケの話とかで盛り上がった
マリンちゃんが思いの外タイムが伸びなくて(1時間28分)
もっと頑張れよという話になり
明日は朝食前に一本上ってこい という話でまとまった(笑)
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2日目は昼前に乗鞍を出る必要があったので
4時半に起きて 朝食前に乗鞍を上ることにした
マリンちゃんの自転車は 宿の玄関に置かれたままだった…
スタートしてすぐ 250Wをキープするのが厳しい
昨日のダメージが残っていた
2km地点でサイクリングに切り替え 180Wで上る
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美しい景色と べらぼうに美味い空気
松本方面は雲海になっていた
山を下れば天気は曇りだ
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猪野っちはコースのことをめちゃくちゃ覚えていて
どこにどんな勾配の坂があるのか
路面がどうなっているのか よく知っている
私は全然詳しくない
少しは詳しくなろうと思い 観察しながら走るが
目が行くのは 静かに佇む植物とか 虫ばかり
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花は静かにひっそりと咲いているようで
実は全身全霊で自己主張をしているのだと気付いた
目立って 虫たちをひきよせて
花粉や種子を運んでもらう
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トレーニングではない走りは 何ヶ月ぶりか
めちゃくちゃ楽しかった
自転車を楽しむのに 速い必要なんてなくて
そこそこに走れさえすれば こんなに素敵な体験ができる
速さを求めて得る感動と
のんびり走って得る感動
その両方をしっかり見られる番組でありたい
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落車して ヒビが入ったままのクランク
漕ぐとギシギシ言う
早く買い換えないと…と思うけど
何を買おうか迷い中
やっぱりセンサーとしてはパイオニアが最高なんだけど
シマノのクランクが好きではないのです
やっぱROTORの手裏剣みたいなやつかなあ…
フレームやコンポーネント、ホイールは
色々と試乗したり 意見を聞いて
何を買うのか決めました
ディスクブレーキにするので 総取っ替えです(泣)
愛してやまない 特注カラーのGOKISOともオサラバとなります
こないだGOKISOの会長に会ったので
「スルーアクスルのモデルを作ってください」
と要望はしておいたけど…
とにかく色々注文したのが届いて
組み上がるのは たぶん秋
それまでなんとかC59に走ってもらわないと…★
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