自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

リペア。

2023年05月30日 20時42分59秒 | おしごと日記
足掛け3年(たぶん)
ついに「金継ぎ」が完了した






欠けた陶器を 漆とご飯粒を練り合わせたボンドでくっつけて
金粉と漆で仕上げる
伝統のリペア方法





金粉だけだと地味だったので
ミャンマーのゴールデンロックで手に入れた金箔を貼って仕上げた





欠けた茶碗がよみがえった





気付かずガスコンロで熱してしまい
ヒビが入った茶碗も





復活



直した茶碗にご飯をついで
ここまでの長〜い道のりを思い出しつつ食べていたら
人間のリペアについて考えてしまった






よく「人間はこわれものだなあ」と思う
ちょっとしたことで傷ついて
閾値を超えると壊れてしまう
犯罪者となる人は 本人だけのせいにされがちだが
外的要因から壊れてしまった人である気がする


傷ついた人間をリペアするのは
容易ではない
傷を負った人を修復するには
自分の人生を捧げて一生を添い遂げるぐらいの覚悟がないと
治らない



自分は幼少期に負った傷のために
(それは壊れずに済んでいる程度の小さなものだが)
抗い難い苦悩を手放せずにいる
それが「頑張らないと自分に価値がない」という
今のエネルギーになってはいるが
自分はただ 明るく笑って生きていたかったなあと思う








「あなたは 頑張らなくても
 あなたであるだけで価値がある」

なんて言ってくれる人はいないものかと妄想するが(笑)
たぶんそんな優しいことを言ってもらったとしても
何もせずブラブラしている自分を 自分は受け容れられないだろう


きっと頑張ることに 目的や理由なんていらなくて
頑張ることで自分の存在価値を肌で感じていたいという
壊れかけた人間が自己修復を試みているのかもしれない







きょうも頑張るために 太平山を2本(笑)


1本目 8分15秒 309W
2本目 8分20秒 303W


激坂区間で 足をついて立ち止まっている
体の大きな女性チャリダーがいた
苦しそうな表情で 追い抜く私を見ていた
2本目に上ったら そこから数百メートル先で
同じように苦しそうに足をつき こちらを見ていた


彼女はなぜ そこまでしてこの坂を上るのだろうか?




きっと彼女にも
そこまでして頑張らねばならない理由があるのだ