自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

ブルーなライド。

2024年01月21日 22時10分17秒 | 自転車
重苦しい気分で 山道を走っていた






番組には 様々な売り込みがある
タレントの売り込み
イベントの売り込み
この挑戦を取材してほしい



自分の選ぶ基準は
そのイベントや挑戦が「多くの人にとって有益かどうか」だ
個人の利益にしかならない取材は なかなか選ぶことは難しい







ある挑戦を取り上げてほしいという人から連絡があった
その人は「ツール・ド・ラヴニール」の放送を見て 嫉妬したらしい
日本代表の6人は取材してもらえたのに
自分の挑戦は取材してもらえないから と


人が全力で挑戦する姿は美しいし
見る人に勇気を与えることもあるだろう
だがその人の売り込みは 個人的な利益がチラ見えた
番組に取材してもらうことで 機材の提供を受けたい
番組に遠征費を出してもらいたい
でもその人は「多くの人に勇気を与えるために挑戦するのだ」と主張した



悩んだ末に 取材を断った
するとこんな言葉が返ってきた
「自分の挑戦はラヴニールと比べて意味がないと言うんですか」と
呆れて何も言えなかった
意味の有無なんて 一言も話しちゃいない



みんな自分のことばかりだ
自分の利益のために 簡単に他人を傷つける





人間なんてそんなもんだと 絶望に近い気持ちで山道を走っていた


すると 秘境の山道で
想像を超えたご神木が現れた


空いた口が塞がらなかった
いつまでも眺めていたかった
この写真では あの圧倒的な存在感は伝わりにくいが
この凄さを伝えられるなら 番組にする価値がある


そして 難しいけれど
私はこの凄さを伝える腕を もっと磨かなくてはいけない







道に迷って 地図を見ていたら
すぐ後ろでドドドドド…と音がして
崖が崩れてきた


5m後ろにいたら大変だった
道に石が落ちてるのを見て 嫌な気がして
その先まで進んで止まったのだった


この先は行き止まりなので 戻らねばならない
だが崖からは 尖った石がガラガラパラパラと落ち続けている
どうしたものか…



時刻はすでに夕日が近い
気温もだいぶ下がってきた
暗くなったらアウトだ
一瞬 落ちる石が止まった瞬間に
えっさほいさと自転車担いで 崩れた石の上を走り抜けた



どうやら私は まだ生きていて良いらしい






と思ったのも束の間
深い砂に前輪を取られて落車して
おニューのウェアが思い切り破れた




取材を断った挑戦者に
「俺の取材を断ったバチが当たった」と言われるかな(笑)