自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

罪と罰

2023年08月07日 23時07分28秒 | 自転車
危なかった


今回こそはヤバいと思った



片側2車線の幹線道路
自分は左端を走っていた

前を見ると 交差点で
右車線だけ渋滞していた
右折待ちの車両がいて 後ろが詰まっているのだ


空いている左車線を通過しかけたとき
渋滞の3台目のトラックが 突然左に出てきた
エンジンが唸りをあげ
ハンドルを目一杯切って
ちょうど真横にいた私に向かってきた


大きな鉄の塊は 思いのほか左に膨らんで
視界が一気にトラックに埋め尽くされた


「おおおおおおおお!」


もともと左端を走っているので これ以上避けられない
必死に体をひねったが ミラーが頭を直撃して吹っ飛ばされた


ふらつく前輪を押さえながら 目の前にあった歩道の切れ目に逃げ込み
なんとか落車は免れた
今度ばかりは死んだと思った
心臓がバクバクしていた

見るとトラックは唸りを上げて 走り去っていった





心が一気に沸騰した
あんにゃろう 絶対に逃すものか!






全力で追いかける
数字は見ていないが イメージ的には500Wオーバーでガンガンに飛ばした
しかしあえなく赤信号に引っかかってしまった(笑)



信号無視して追いかけないと 追いつけっこない
だが信号無視できないメンタルに仕上がってしまっているので
どうしても赤信号では停まってしまうのである
そしてモヤモヤしながら青信号を待って再出発


おや? 300m先の信号で
あのトラックが停まっているではないか!


まだ天は私を見捨ててはいない
全力で追いかける…が
マジかよ
信号が青になりやがった
トラックが唸りを上げて飛び出してゆく


延々と追いかけること15分
ヘロヘロになりながらも
ついに信号待ちする憎きトラックに追いついたのである



窓を叩き 大声で当たられたことを怒鳴るが
返事がない


ドライバーは初老のおっちゃんだった
突然怒鳴られて キョトンとしていた
そして「すいません すいません」と謝り続けていた
知らなかったフリではなく 本当に気づいていないらしかった






私はドライブレコーダーを付けて走っているので
ヘルメットの傷と 証拠映像を見せたら
おっちゃんの罪を証明することはできると思う


でも やめた
私に「当て逃げ」したことを感知しないおっちゃんを
いくら責めたところで 何にもならない気がして
私は怒りのやり場に困り しょんぼりしてしまった








太宰治が「罪」と「罰」は対義語なのだと書いていたが
まさにそれを実感した
罪に対して与えられる「罰」は
我々の都合によって決められたものでしかない
社会の平和にとって邪魔な者には罰を与えて隔離する
しかしその罰が 彼の罪にとってどれだけ効果的なのかは
全く分からない




人を殺すことが快楽だという殺人鬼も
現代では刑務所に隔離されて重い罰を与えられるが
生まれたのが戦争時代だったら英雄になったかもしれない


「罰」というものが あまりに曖昧で
果たしてどれだけ意味があるものなのか
おっちゃんの「キョトン」とした顔を見て 分からなくなってしまったのだった



・・・・・・・・・・



ちなみに
私がその後 おっちゃんをどうしたかというと
知らなかったからと言って タダで引き下がるのも癪なので
おっちゃんの写真をバシバシ撮って こう伝えた
「これ 警察に届けておきますね」

もちろん写真を警察になんて届けるわけがない
これでおっちゃんが乱暴な運転をしないようになることを願っているし
「オレ捕まっちゃうかも知れない」と
少しの間だけでもドキドキしてもらおうという
ちょっとしたイタズラである(笑)



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2 コメント

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Unknown (mac)
2023-08-08 22:44:59
重大事故に至らなくて何よりです。

逃げてしまった以上、相手方は知らぬ存ぜぬを通すのも定石でしょうね…。

強烈なストレスを受けたことによる身体の不調が出ないことをお祈りしてます。
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macさま。 (D☆)
2023-09-19 15:11:48
ありがとうございます。
そんなにストレスにはならなかったです。
都会の道はゲームばりに危険がいっぱいです(笑)
返信する

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