大分古い話題になりますが、気になった ので取り上げます。ペルーでイルカやペリカンが大量死したと言うニュースですがそれには大きな原因があるようで す。
CNN.co.jpよ り 2012.05.01
イ ルカに続いてペリカンが浜辺で謎の大量死 ペルー
(CNN) ペルー北部の海岸で、 538羽あまりのペリカンが死んでいるのが見つかった。当局が29日に明らかにした。この一帯では4月にイルカ の死骸も大量に打ち上げられ、当局が死因などを調べている。
ペルー海洋研究所が周辺約70キロの海 岸を調べたところ、ペリカンのほかにも鳥類の死骸が見つかり、死んだ鳥は592羽に上ると推定。国営テレビは、 同国北部ピウラ州プンタネグラからランバイエケ州サンホセにかけての160キロの海岸で、約1200羽の鳥の死 骸が見つかったと伝えている。
鳥類は海岸で死んだとみられ、当局は今 後詳しい検査を行って死因を調べる意向。地元の漁師などによると、鳥の死骸は2週間ほど前から見かけるように なったという。
この一帯は4月にイルカ877頭の死骸 が打ち上げられたばかりだが、鳥類の大量死との関係は現時点で分かっていない。イルカが大量死した原因もまだ調 査中だが、同国環境省はモルビリウイルスやブルセラ菌といった病原菌が流行した可能性もあると話していた。
これに関しては世間は余り注目して いないようでしたが、気になるブログがありました。
杜父魚文庫 ブログより
イルカに続 いてペリカンが浜辺で謎の大量死 ペルー 古沢襄
…略
気象学者の根本順吉さんが「氷河期 が来る」の著作の中で、南米西岸ペルー沖の海況異変・エルニーニョについて詳しく述べている。ペルー沖は世界最 大の漁場の一つだが、そこでとれる寒流系の魚・カタクチイワシ(アンチョビー)が六、七年に一度、大量に死んで 海面に浮かぶ現象がエルニーニョ。
エルニーニョは降誕祭のキ リストを意味する”ザ・チャイルド”のことだが、アンチョビーの大量死は十二月の降誕祭から翌年の二月ごろまで 現れるので、エルニーニョと呼ばれるようになった。
海面に浮かぶ魚群の屍体か ら亜硫酸ガスが発生し、アンチョビーの魚群を餌にしているペリカンが餓死する生態系循環が生まれている。一九六 五年のエルニーニョの時には約一六〇〇万羽の海鳥がなんと四〇〇万羽に激減している。
この海況異変は六、七年ご との周期で現れる。原因は南米西岸に沿って北上するフンボルト寒流が、何らかの理由で北上しきれないで、水温が 例年より六、七度高くなったことがアンチョビーの大量死につながった。
ところが十二月から翌年二 月(南半球では夏)に発生するエルニーニョが、一九七二年には夏ではなくて冬に向かう五月から六月に発生した。
根本順吉さんは、気象学者 の眼でこの異変に着目している。異常気象と寒冷化現象の関係については、根本さんの著作を読んでほしい。
私が杜父魚ブログでペルー のペリカン大量死を取り上げたのは、根本順吉さんが指摘したフンボルト寒流の異変が冬に向かう五月に発生したこ とである。北半球は夏に向かう季節に入ったが、南半球は冬の季節を迎えようとしている。海で何かが起こってい る。…以下略
この大量死とエルニーニョを結び付 けているのは今のところこのブログだけのようですが、どうもこれは本当のような気がします。もしかしたら大変な ことが起きているかもしれないのにマスコミは気がついていないのか沈黙しているようです。
参考:第12回エルニーニョとモンスーン
やっと、マスコミがこの ことに気がついたようです。
謎 のペリカン大量死、海水温の上昇が原因か ペルー 2012.05.12
(CNN) ペルー沿岸で 5000羽以上の海鳥が死亡した問題で、ペルー政府当局はペルー沖の海水温の上昇が原因と結論付けた。
ペルー国立エルニーニョ現象 研究センターが今週はじめに発表した報告書によると、今年2月以降、世界中の海で発生する海流の影響でペルー沿 岸に大量の暖かい海水が流れ込み、海洋生態系に変化をもたらしたという。
この暖かい海水の影響で、海 面に生息していたアンチョビなどの魚が、海のより深くまで潜ってしまい、さらに南方に追いやられた。その結果、 それらの魚を餌にしていたペリカンなどの海鳥が餓死してしまったという。
同報告書は「この状況が続け ば、秋に入っても(ペルー)沿岸の他のエリアに影響が広がり、死亡する海鳥の数は増え、他の海洋生物にも影響を もたらす」と指摘する。
ペルー環境省は、今のところ 魚介類は食べても安全としている。またペルー当局は先週、ビーチでの遊泳に対し警告を出したが、ビーチで身動き の取れなくなったペリカンやイルカなどに触れなければ健康上問題ないとした。
ペルーでは今年初めから約 900頭のイルカが死亡しており、当局が原因を調査している。現在、ペルー保健省は、以前イルカの大量死の原因 となった麻疹ウイルスを探すための分子解析の結果を待っている。
何だか大量死の方に注意 が言っているようですが、エルニーニョが起こったときの世界の天候異変についてはまだ触れていないようですが、 日本にもエルニーニョの度に大きな影響が出ているだけに心配です。ましてや無策で原発が止まっている今年の夏が 熱波にでも覆われれば停電などの大きな問題が起きそうです。
杞 憂であればいいのですが!