食糧難は植物のセルロースを食糧にすることができれば解決するとネットで読んだ記憶がありますがまだ実現はさ れていないようです。
ところが面白い使い道があるそうです。
U.S. FrontLineより 2011年05月16日
舌触りの良さはパルプのおかげ~セルロー ス含む食品が増加
加工食品業界で、木材パルプなど を細かくしたセルロース(繊維素)の使用が増えている。セルロースは 水を加えるとゼラチン状になるなど水との親和性が強く(親水コロイド)、加工食品にとろみを出したり、安定させる効 果がある。
ウォールストリート・ジャーナルによると、セルロースの使用は、価格が上昇している油脂、小麦粉の使用量を減ら しながら食品に含まれる繊維量を増やす効果もある。この結果、食物繊維の豊富な白パン、舌触りの滑らかな低脂肪アイ スクリームなどが出来上がり、クラフト・フーズではサラダドレッシングなどにも使っている。
セルロース入りのオーガニック食品もあり、オーガニック・バレーではおろしチーズにセルロース・パウダーを混ぜ ている。
近年食品へのセルロース使用が増 えた背景には、小麦粉、砂糖、油脂など原材料価格の上昇がある。また、中国やインドなどで加工食品の人気が高まった ことや、低脂肪や無脂肪でもねっとりした舌触りの食品 が好まれることも理由。
セルロースを使うことでメーカーはコスト削減が可能となり、食品用の添加物や酵素を生産するデンマークのデニス コは「セルロースによって食品中の水分や空気が増え、クリーミーな舌触りが強まる一方、他の材料の必要量が大幅に減 る」と説明する。
セルロースは、粉末のほかセル ロース・ゲル(MCC)やセルロース・ガムなど、用途に応じてさま ざまな形で食品に使用でき、安い点もメーカーにとっては魅力となっている。
デニスコのセルロース商品の1つ は1ポンド約2.50~3ドルで、同社の親水コロイド商品の販売はこの10年間に年3~5%のペースで増加してきたが、特にこの2年間は約6~8%に加速 している。パルプを食べていると考えると抵抗感もあるが、セルロースは無害の繊維で、食品のカロリーを削減できるこ とが多い。
これは面白い使い方じゃないでしょうか。食糧がなくて飢餓に苦しんでいる国があるかと思えば、先進国ではカロ リー過多で肥満や糖尿病など成人病に悩んでいるという二極化がここでも問題になっています。
このセルロースを先進国で積極的に使うことによりカロリーを減らし成人病を減らすのです。それで先進国の食糧消 費を減らし、それを飢餓に苦しむ国に回せば一挙両得です。まだ栄養を採ることのできないセルローズもこれなら食糧の 代わりとしての利用価値があるというものです。
セルロースに関するものをサーチしてみました。
参照: セルロース
ダニスコジャパン株式会社 Danisco
信越化学工業 セルロース部
プレジデントロイターより
米デュポン、デンマークのダニスコを現金58億ドルで買収へ
2011年 01月 11日
[ニューヨーク/コペンハーゲン 10日 ロイター] 米化学デュポン(DD.N: 株価, 企業情報, レポート)は9日、デンマークの食品添加物製造のダニスコ(DCO.CO: 株価, 企業情報, レポート)を現金58億ドルで買収することを明らかにした。成長著しい食品セクターでのプ レゼンス拡大を目指す。
買収は株式公開買い付け(TOB)で行われ、デュポンはダニスコ株1株当たり現金665デンマーククローネで買 い取る。提示額はダニスコ株の7日終値(530デンマーククローネ)を25%上回る。
また、デュポンはダニスコの純債務5億ドルを引き受ける。
デュポンは今回の買収により、2011年の1株利益(予想3.30─3.60ドル)が、0.30─0.45ドル の範囲で押し下げられるとした。
ダニスコ株は10日、約24%高の657デンマーククローネで引けた。
日本でも信越化学工業が作っているんですね。大手のデュポンが手を出すくらいですからきっと成長を確信してい るのでしょう。
意外な方向に進みそうです!