昨日、一昨日とソニーと電力会社のニュースに驚いて前後が逆になりましたが、太陽電池の面白い記事が二つありました。
EDリサーチ社より 2008年5月23日
産総研など、有機薄膜を用いた観葉植物型太陽電池モジュールを試作
独立行政法人産業技術総合研究所太陽光発電研究センター、三菱商事、トッキの3者は08年5月21日、次世代型太陽電池を試作した、と発表した。試作した太陽電池は有機薄膜太陽電池の鮮やかな緑色の色彩を生かし、観葉植物をイメージした葉っぱ型のモジュールである。3者は共同研究において産総研がデバイス構造の研究を、トッキが製造装置のコア技術の開発ならびにモジュールの製作を行い、三菱商事が研究開発に関する投資とマーケティングを担当した。今回、薄くてフレキシブルな大面積・高耐久性有機薄膜太陽電池モジュールを試作したもので、この早期の商品化・市場投入を目指している。試作品はG8環境大臣会合関連の展示会である「環境フェア in KOBE」(5月23~26日、神戸市立体育館)に出展される。
3者はG8環境大臣会合関連展示会のために、有機薄膜太陽電池の鮮やかな緑色の色彩を生かし、観葉植物をイメージした葉っぱ型の有機薄膜太陽電池モジュールを試作した。葉っぱ1枚に約7.5cm2の太陽電池セルが8個直列に接続されており、約60cm2の大面積の太陽電池モジュールになっている。このモジュールを極薄膜の保護膜により封止し、劣化の原因となる水・酸素の侵入を防ぎ耐久性を向上させた。プラスチック基板、nmオーダのフタロシアニン層とフラーレン層を積層した有機薄膜太陽電池、封止膜の採用によりフレキシブル・カラフル・軽量という画期的な太陽電池モジュールになった。有機薄膜太陽電池は従来のシリコン系太陽電池と違い、軽くて柔らかいといった特徴のほか、鮮やかな色彩をもたせることができる。これにより、従来のシリコン系太陽電池では難しいデザインが重視される用途、すなわち壁や窓向けの建材、衣料・生活用品、レジャー・アウトドア用品、玩具といった分野への普及が見込まれる。
参照:産総研
緑色ですか珍しいですね。他の色はできないのでしょうか。
もう一つ第2941回で取り上げた富士電機システムズのフィルム型太陽電池の話題です。
日刊工業新聞
大成建設など、フィルム型太陽光電池使用の外壁パネルを共同で商品化
大成建設とタイセイ総合研究所(東京都新宿区、七字祐介社長、03・5326・0133)は、フィルム型太陽電池を使用した外壁パネルを商品化した。両社は太陽光電池の供給元である富士電機システムズや技術指導しているメーカー10社と共同でフィルム型太陽電池の用途開発を推進しており、その初の成果となる。年内に九州地区の工場向けなど3件程度の受注を見込み、リニューアル、リフォーム分野を中心に拡販する。
使用しているフィルム型太陽電池は1平方メートル当たり1キログラムと軽量で壁面に利用でき、リフォーム時に使用しても大規模な補強工事が必要ない。タイセイ総研は富士電機システムズの依頼を受け、サンスター技研、未来、野口興産、ダイフレックス、恒和化学工業、エーアンドエーマテリアル、インフィニアム、城山工業、磯部塗装、習志野化工の10社と共同で用途開発を進めてきた。(掲載日 2008年05月23日)
こうして矢継ぎ早に新しい太陽電池のニュースが飛び出してくると言うことはいよいよ太陽光発電が時代の主流になるという兆候でしょうか。
取りあえず、これらの商品が本当にどんどん出荷されるようになって来ないと本物とはいえないのですが、それでも何にも無いよりは余程よさそうです。
気がついたら、コストが何時の間にか5分の1、10分の1なんてことになっていたら面白いでしょうね。これはひょっとしたら7円/KWhなんて発電コストの時代が来るのもまんざら遠い話ではないのかも。
夜明けは近いのか!