第4483回や第4484回で地道な研究開発が実り 太陽光発電の時代がきっと来ると書きましたが、太陽光発電が石油火力に勝つ時代がもう近いという説もあるようで す。
@IT MONOistよ り
太陽光発電が石油火力を代替するのはいつ?
太陽電池の変換効率が上がり、生産コスト、設置コストが下がっていけば、いずれは火力発電を代替できる程度に低コス ト化すると予測されています。そうなるのはいつなのでしょうか。
新エネル ギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が震災前の2009年に公開した「太陽光発電ロードマップ (PV2030+)」では、太陽光発電システムの発電コストは、家庭用電力料金(23円/kWh)に達した後、 2020年に業務用電力料金(14円/kWh)を目指し、2030年には汎用電源料金(7円/kWh)を実現す ることを目標としています(図1)。つまり、NEDOのロードマップでは2030年ということになります。
010年時点で世界の太陽電池導入量の8割を占めるのが、欧州です。とな れば、欧州におけるコスト分析を引用しないわけにはいきません。
2011年9月にドイツで開催された太陽電池の学会・展示会「26th European Photovolta Solar Energy Conference and Exhibition」(EU PVSEC)では、欧州の太陽電池業界団体European Photovoltaic Industry Association(EPIA)が欧州における太陽光発電のコスト予測を発表しています(図2)。
発表資料によれば、2011年現在の発電単価は14~32ユーロセント /kWh(約14~32円/kWh)。つまり、地域や設備によっては既に家庭用電力料金はクリアしており、 NEDOのいう業務用電力にも追い付いています。2018年の予測値を見れば、8~20ユーロセント/kWhと なっていますから、NEDOの最終目標となっている汎用電源料金に至る設備が、2018年には登場することにな ります。
日本の日照条件は、欧州よりも良い(関連記事:成功するメガソーラーの条件とは、日本商社がドイツで取り組む)た め、NEDOの予測はEPIAの予測と比べるとかなり控えめだということが 分かります。長くなりましたが、日本でも太陽電池が石油火力を代替可能で、エネルギーを生み出すビルも実現可 能、という結論になります。…以下略
今年大幅なダンピングによる価格下落に見舞われたというヨーロッパでは日本より単価の下落が先行しているというこ とのようです。これもメガソーラーの影響が大きいようです。日本も来年7月からの全量買取によりメガソーラーや企業 などへの設置が大幅に増えれば一気に価格の下落が進むかもしれません。そうなれば本当に石油火力とのコスト逆転も見 えてくるのかもしれません。
暗いばかりの日本ですがせめた太陽光発電で明るい未来を期待したいものです。
では、良いお年を!