カブールの自爆テロは衝撃ですね。まさかこんなことになるとは。こうなると、もう何が起きるか分からないでしょう。
それにしても、外務省の今回の日本人を見捨てての脱出は素晴らしい。見事に外務省が必要ないことを証明してくれました。これは、どこの指示ったのでしょうか。
まさか菅(スガ)さんの指示なんてことは無いと信じたいものです。
宮崎さんがこの情勢を詳しく書いてくれています。タリバンも困惑しているようです。果たしてどうなるのか誰も不安を抱えていることでしょう。
それにしても、ISもやるならChinaにやって欲しかった。まさかChinaと手を組んでいるなんてことは無いと信じたい。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和三年(2021)8月27日(金曜日) 通巻第7029号
カブール空港で爆弾。米海兵隊四名など60名以上が死亡
ISが犯行声明。トルコ軍は空港警備から突然撤退を開始
大混乱が続く。トルコ軍が空港警備を中断し、撤退を開始した。
NATOの一員であるトルコは、過去二十年、空港警備に協力し、500名を駐屯させてきた。「責任を持って完全撤退まで空 港警備の任務に就く」とエルドアン大統領は約束していた。
トルコにはウイグルからの亡命者が集中しているが、中国がアンカラ政府にワクチン外交を展開し、取引条件はイスタンブール に幾つかあるETIM(「東トルキスタン独立運動」)の取り締まり強化と情報提供だった。
またトルコはイラン経由がトルコ侵入を試みるアフガニスタン難民に、国境を閉ざして応じた。エルドアン大統領は欧米からの 批判に「わが国には既に(シリアからの)難民が五百万人もいる。これ以上は引き受けられない」とした。
8月26日、カブール空港が襲撃を受け、爆弾が二度爆発し、米海兵隊四人が犠牲となった。ほかに60名以上の死者がでてお り、ISが犯行声明をだした。やはりタリバンが存在を否定していたISがアフガニスタン国内に潜伏していたのだ。
また米紙は、タリバンとは別組織の「ハカニ・グループ」がアルカイーダと緊密な関係にあることが判明したと伝えている。
ロシア外相が指摘したように「タリバンは一枚磐ではない」。末端は組織命令も行き届かず、軍閥のボスの命令しか聞かない武 装グループのなかには山賊行為を働く。今後、タリバンは組織の整合をどうするか(不可能だろうが)、難題が表面化した。
その外務省の素晴らしい撤退振りも宮崎さんが書いてくれています。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和三年(2021)8月28日(土曜日)
通巻第7030号
カブール,ISIS─Kの自爆テロで130名が死亡。米国激怒
タリバン、「彼らは米国と共通の敵。米大使館員は残って欲しい」
8月27日にカブールの空港で起きた自爆テロは多くの死傷者をだして、この余波で自衛隊の邦人脱出計画は白紙に戻った。C130機は邦人一人を乗せてイスタンブールへ戻り待機している。
そもそも駐カブール日本大使館には外務省職員が不在。すでに中東に移動している。このためJICAを中心とする邦人救出と言っても、リストもない。優先順位もないという大混乱。外務省の責任は極めて大きいと言える。
退避開始から12日間で、およそ10万5000人がアフガニスタンを離れたが、残りの外国人がどれほど居るのか、誰も掌握していない。ホワイトハウスならびにペンタゴンは27日の爆発は一回だけだったと訂正した。そのうえで、「最悪の状況が数日内におこる」と警告を発し、またカブール空港は当面閉鎖された。
タリバンは意外な声明を出した。
「米国大使館員は残って欲しい」と言い出したと言う。今後の交渉を行うにせよ、誰と話し合えば良いのか。カタール以外の連絡チャンネルが必要とした。
この自爆テロによって、戦局は大きく変更した、あるいは変更に向かう。
第一にバイデンは報復を示唆したが、犯行はタリバンの統制が及ばないISIS-K(イスラム国)が引き起こしたとほぼ断定された。
第二にISは、「タリバンと米国の共通の敵」という位置づけになった。
第三に米国への嫌がらせのための「自作自演」説が消えた。
新しい状況のもと、次に何が起きるか?
それにしても、外務省のこの素晴らしい撤退が問題にならない日本は完全に狂ってます。やはり国民の命なんて全く興味が無いのでしょう。素晴らしい国になったものです。