我が家には今、ネコが9匹います。動画で紹介させて貰った2代目の上に、この春ごろ、我が家のそばに捨てられたつがいが5匹の子を産み、その後に又2匹が捨てられたものです。仕方なく2代目は家の中で、他の捨て猫は外で餌をやっています。
これ以上増えられても困るのでメスの親と子は避妊手術をしました。全くとんでもない出費です。自分の食い扶持も稼ぎかねている我が家が何でこんな目にあわなければならないのでしょうか。
なんて、怒っていたら興味深い記事がありました。
頂門の一針より
動物保護の家 永冶ベックマン啓子(ながや ベックマン けいこ ドイツ ミュンヘン在住)09.12.2008
現在ドイツ全土の町には、動物保護の家(Tier Heim)があり、その一番古いものはシュトゥットガルトだと言われる。
2番目に古いミュンヘンでは、1842年 弁護士のイグナツ・ペルナー氏が動物の権利を守る為に動物愛護協会を設立し、既に166年間の歴史がある。
人間の様々な無責任で身勝手な理由や都合で捨てられたり、飼い主と別れたりした犬や猫、家出や迷子になった小動物、その他ウサギ、天竺ねずみ等の小動物、傷ついた野生の動物、税関で見付かった猿などの保護動物等、年間8,000~10,000 匹が、人口135万人のミュンヘンの動物保護の家に届けられる。
届けられると、全て健康の診断と管理、不妊の手術、問題のある犬の場合は教育訓練がなされ、室内と外が繋がっている清潔な部屋が宛がわれる。
現在パートの人,獣医4人を含めて全部で47人が働いている。ミュンヘン市とその近郊地域の動物保護の課題を、この動物保護の家が、警察や獣医、税関からの協力を得て、動物愛護精神を持つ名誉職やボランティアの人々と、動物愛護協会会員の寄付金のみで運営されている。毎日、ボランティアで何匹もの犬の好きな散歩を担当している人達がいる。
年間会費は、子供と若者・年金生活者が、10ユーロ(約1,300円)、そのほかは31ユーロである。筆者もメンバーの1人である。1万6千人いた会員が、高齢者が多かった為に激減している問題もあるという。時には、不動産などの全財産を寄付する事を遺言にした人もいると聞いた。
届けられたほぼ全ての動物は、28日間以内に、新しい飼い主を見つける事が出来るという。見付からない場合は、写真と不幸なヒストリーを載せたパンフレットを作成し配られたり、テレビでも紹介して里親探しをしている。
それでも、どうしても里親が見付からない問題ある動物は、郊外に“動物慈悲の家”があるので、そこで生涯を過ごす事になる。
安楽死は、獣医のみが病気を判断して、注射をする事が許可されている。ドイツの家庭で、犬やウサギが欲しい、猫を飼いたい、という希望があった場合、まず最初に訪問するのが、この動物保護の家である。週水曜日~日曜日の午後1時から4時までの時間帯で、誰でも訪問する事が出来、そこで犬や猫、ウサギとの出会いを感じたら、家族の一員として連れて帰る事ができる。現在、猫との出会いの広場用に、新しい施設が建造中である。
人間に信頼を裏切られ、絶望して恐怖心やノイローゼになっている可哀想な小動物が、再び新しい心ある飼い主に出会え、新たに生きるチャンスが得られる機会がここにはある。犬生や猫生は短く、人間に依存しなければ生きられない。
日本からの視察団と訪問した折には、ルーマニアの姉妹動物保護の家から丁度63匹の犬が到着したばかりの時であった。情動脳がある犬は、感情表現が実に豊かで複雑にあり、心からその犬達の新しい幸せを願わずにはいられなかった。
来週にはフランスから、猿が1匹税関で保護されて、ミュンヘンに来る予定だとも聞いた。密輸入された猿を保護できる場所は、少ない。日本でも、動物愛護団体が、大小様々に出来て活動は増えてはいるようだ。
しかし、いまだに保健所では、おぞましい名ばかりの“ドリーム・ルーム”で二酸化炭素を使い処分しているその数が、全国で40万匹とも言われる。
暗い、驚くべき数字である。これだけは早急に廃止するべきで、対策を立てなくてはならない動物保護と教育社会問題でもあると思う。・・・以下略
ドイツってこんなことやってるんですね。そうなると当たり前のように殺している日本も反省が必要ですね。
こんな話を聞くと、あの飼い犬が保険所で殺された敵と言って官僚のOBを殺した小泉なる犯人を一概に責められないのかもしれません。彼がドイツ人だったらそんな目には合わなかったかもしれません。
我が家にだって、こんなに捨て猫が集まるなんてこともなかったでしょう。
複雑な思いです!