ソロモンのChinaへの接近が西側にとって大問題になっているようです。Chinaの諦めの悪さにも感心しますが、それに乗る国がまだまだあることにも呆れるしかない。やはり、札ビラには弱いようです。
宮崎さんが詳しく取り上げてくれています。それにしても、Chinaはまだ金があるのでしょうか。何とも不思議でしぶとい。これこそが独裁の強みなのでしょうか。
やはり、世界は一致してロシアと共に叩き潰すべきです。躊躇していれば完全に逆襲されるのじゃないでしょうか。やはり、腹を括るべきです。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和四年(2022)4月26日(火曜日) 通巻第7312号
ガダルカナルは嘗て日米の激戦場だった
ソロモン諸島のソガバレ政権は急速に北京に接近した
南太平洋のソロモン諸島で「反中」暴動が起きたのは昨年晩秋だった。21年11月、ガダルカナル島に位置する首都ホニアラ のチャイナタウンが襲撃され、数人の死者がでた。
豪軍が治安部隊を空輸し、その後、フィジーが警察部隊を、また中国も警備関係者を送った。
日頃から原住民と対立してきたチャイナタウン、気がつけば三万人もの中華系の住民がくらしていた。ほかの島々の住民は寧ろ 台湾支持であり、ソガバレ政権が台湾と断交し、北京と結んだことを危険視してきた。
4月19日、中国外務省は「ソロモン諸島と安全保障協定を締結した」と発表した。協定の中身は不明だが、中国艦艇の寄港や 軍隊、警察の派遣を認める内容とみられる。
電撃的な安保協定締結に驚き、抗議の声を上げたのは米英豪だった。とくに豪にとって南太平洋は『中庭』である。米国も南シ ナ海から台湾海峡へ軍艦を派遣し、「自由航行作戦」を展開中であるだけに神経質である。
米国国務省は「中国が南太平洋で軍事的な足掛かりを得ることになりかねない」と懸念を強め、4月22日に、バイデン政権は 国家安全保障会議のカート・キャンベル調整官らがソロモン諸島を訪問するとした。キャンペルはキャリア外交官として知られる うえ日本通である。元国務次官補。
ソガバレ首相に対し「中国との協定は地域の安全保障に影響を与える可能性がある」とし、「中国の軍事施設などを作る動きがあ ればアメリカは「相応の対応する」と牽制した。
もし、中国がソロモンに軍事拠点を持つとなると、露骨なアーカス(豪の原潜建造を英米が支援)牽制となり、また原子力潜水 艦の動向を監視しやすくなる。
親中派のソガバレ首相は「軍事基地が存在することはない」と西側の懸念を否定したが、信用はゼロ。
▲親中派のソガバレ首相は何を血迷ったか
ソガバレ政権は2019年9月に台湾と断交し、中国と正式に国交を樹立した。同月、ソロモン諸島のセントラル州は、中国国 営「森田企業集団」にツラギ島全体を貸し出す契約を結んだ(契約は75年)。
ツラギ島は戦争中、日本軍が飛行場を設営し、やがて米軍との間に死闘が演じられ、日本軍はほぼ全滅した。
連合軍側の戦死者7100人、沈没艦船29隻、喪失航空機615機。
日本軍死者8500人、病死・餓死者10700人、沈没船38隻、喪失航空機683機。
ツラギ島の中国の租借契約に対して豪モリソン政権は強く反発し、またソロモン諸島のジョン・ムリア司法長官は「中央政府の合 意を得ていない契約であり、無効である」と述べた。
中国がソロモン諸島の軍事化を狙うのは、このツラギ島であり地政学上の要衝。他方、中国中鉄はソロモン諸島のゴールドリッジ 金鉱山採掘プロジェクトを8億2,500万ドルで落札した
4月24日、オーストラリア政府のダットン国防相が「安全保障協約は中国が世界各地で展開するパターンに沿っていると指摘 し、「たとえば、アフリカ(のジブチ等)を見れば、汚職が存在することが分かる」と述べた。
スリランカのハンバントタ港も99年の租借で中国軍艦が寄港している。
モリソン豪首相はこの日、中国によるソロモン諸島の軍事拠点化はオーストラリアにとっての「レッドライン」との認識を示し た。
さて日本の外務省はといえば、4月25日、上杉謙太郎外務政務官を自衛隊機で派遣し、ソロモン政府要人と会談し、中国によ る軍事的影響力の拡大に懸念を伝える。
日本は相変わらず懸念を伝えて終わりですか。やはり、日本が一番腰が引けているように思えて仕方ありません。
所詮、現代の日本はこの程度なのでしょう。