これからは公共交通や自転車と歩行を主体とした交通体系に変えていくべきと何度も書いてきましたが、自転車に関する面白い記事がありました。
河北新報ニュースより
自転車には好評 山形中心部「ほっとなる通り」の社会実験
山形市中心部の国道112号(通称ほっとなる通り)で、自転車専用道路などを設けた社会実験は、開始から間もなく1年を迎える。「自転車が走りやすい。続けるべきだ」「混雑を招く。やめるべきだ」。市民の間で賛否両論が渦巻く中、国土交通省山形河川国道事務所などは実験を続けるかどうか、近く判断する。9日には初の意見交換会もあった。(山形総局・小野勝彦)
「県外客の3人に2人は『邪魔だねえ』と言うよ。お客は敏感だ」。山形市のタクシー運転手小山哲さん(54)は手厳しい。道路が狭くなり、追い越しにも苦労する。道路右側に駐車できず、客に不便を強いることも。「本音を言えば、実験はすぐにやめてほしい」
市内のバス会社に勤める小関昌行さん(41)=山形県中山町=は、自転車道と車道を隔てるポールが気になる。「完全に車体の死角になるため、通りに入る時は巻き込みそうになる」。実験に関しては「個人的には賛成しない」と述べた。
市街地で仕事をするドライバーの間では、実験への評価は低い。歩行者や自転車利用者には比較的好評だけに、その落差が際立っている。
貨物集配車の荷さばき駐車による日中の混雑に加え、自転車のマナー違反も評判が悪い。左側車線で車道にはみ出したり、自転車道でも一時停止をしなかったりなど、ヒヤリとするケースは多いという。
マナーの問題は山形河川国道事務所も問題視しているが、「特効薬はない。繰り返し呼び掛けるしかない」(同事務所)のが現状だ。
実験の趣旨の一つである歩行者の安全確保については、一定の成果もみられる。
河川国道事務所の調査によると、歩行者と自転車がすれ違う際、危険と判断し回避する「錯綜(さくそう)回数」は、実験前と比べ93%減少した。
実験が始まった昨年11月から今年8月末までにほっとなる通りで発生した事故件数は3件で、実験開始前の08年11月~09年10月と同じ(県警交通規制課調べ)。とはいえ、事故を引き起こす要因を減らすことには成功したようだ。
実験開始から1年を前に、河川国道事務所は「混雑の発生など課題はあるが、安全を向上させることは必須。成果は出ている」(武藤徹調査2課長)と総括する。
山形県は自動車の保有台数が1人当たり、1世帯当たりとも東北一。実験は、「車天国」の山形で、ドライバーに犠牲を求めていた側面もある。実験を続けるかどうか、多様な声を取り入れた上での適切な判断が求められそうだ。
面白いですね、ドライバーにとっては自転車は邪魔でしかたないというのが良く現れています。そりやぁ、ドライバーにとっては邪魔者が何も無くてスイスイと走れる方が良いに決まってます。つまりそこには自分さえ良ければの視点しかない。
自転車や歩行者を優先することにより車の通行料を減らし、交通事故の減少やエネルギーや環境の問題を何とかしようと言う視点は無いと言うことです。
つまりは、何にも手を打たなければ自動車優先の交通体系が何時までも続くと言うことでしょう。それを変えるには自動車にとってメリットが少ない交通体系を作り出すという考えが必要です。それが、自転車道であり路面電車などの公共交通の整備を優先して車を少なくすると言う方式です。
車を減らして、それによるチョットした不自由を皆で共有する覚悟がなければこの変換は難しそうです。しかし、何時かはやらなければならないことであり、一日も早く取り掛かるべきと思います。
早いほど良い!